台北捷運車両紹介370型

Tweet

370型電車は文湖線向けのAGT(新交通システム)タイプの車両である。Bombardierが設計・製造を担当し、2006〜2007年に2両編成101本(202両)が製造された。そのうち最初の20本(40両)は同社のピッツバーグ工場(アメリカ)で製造されたが、残りの81本(162両)は台湾の唐栄車輛科技公司でノックダウン製造された。

編成番号は101〜201で、前頭部の前面窓及び側面、および側面腰板部に表記されている。無人運転に対応しており、保安装置としてATO・ATCを搭載する。最小通過半径は30m。営業運転では2両編成単独で走行することはなく、2本を併結した4両編成で終日運行される。

車体はアルミ製で、前頭部はFRP製。寸法は車両長13,780m、車幅2,540mm(VAL256より20mm狭い)、車高3,530mm。加速度・減速度は3.6km/h/s(非常ブレーキ使用時の減速度は8.46km/h/s)、最高速度は70km/hで、乗り心地向上のために加速度・最高速度ともにVAL256より性能は抑えられた(自動列車制御システムの改良により駅間所要時間にはほとんど影響なし)。1両あたりの定員は93名(座席定員20名、立席定員73名)と、VAL256よりも21名減となっているが、これは車幅が20mm狭いことに加えて車体強度の強化により車内幅がVAL256よりも大幅に縮小されたことに起因する。座席は車内幅の関係からオールロングシートとなった。また、松山空港利用客の利便性を図るため、車内には大型荷物置場が設置されている。その他として、当形式ではドアチャイムが採用され、音色は香港鐵路(港鐡)の地下鉄車両のものと同一となっている。

2009年7月4日より文湖線にて全車両が営業運転を開始した。

文湖線を行く370型。前面にはLEDの標識灯を配置し、先頭車は白色、最後尾車は赤色を点灯する。その両脇のシールドビームは手動運転時等にしか使用しない。

南京東路にて
370型の最終製造編成である201F。

南港軟体園区にて
全面ラッピングが施された編成。

動物園にて
車両外観。窓下部に緑色の帯が入った、従来車両にはない塗装となった。扉の位置や幅、台車の位置等はVAL256と共通。扉は外吊り式で、その脇に非常用ドアコックが設置されている。
2両編成の中間の連結部分。連結器は半永久式。連結器がコンパクトであるため、前頭部の欠取りが小さい。
編成同士の連結部。先頭車の先頭寄りは電気連結器を備えている。前頭部の前面窓及び側面には編成番号が表記されている。
屋根。冷房装置は車端部に1基ずつ搭載。動物園寄りの先頭車の屋根にはアンテナのようなものが3基設置されている。
車内の様子。車内幅はVAL256と比較すると圧倒的に狭い。座席はオールロングシート。
南港展覧館寄りの先頭車の車内には大型荷物置場を設置。
側扉は幅2,100mm、高さ1,917mm。また、扉の上には開閉時に点滅するドアランプを設置している。
鴨居部に設置されたマップ式案内装置。
無人運転のため先頭車からは前面展望を楽しむことが出来る。手動運転時用の運転台は、通常は蓋で覆われている。
LED式案内表示機は枕木方向に1両あたり4台設置されている。また、その右脇には防犯カメラが設置されている(1両あたり2台)。
両車端部の片側の座席は優先席(博愛座)となっている。座席は紺色で区分。
内湖線開業直後に撮影。VAL256は自動列車制御システム改修により全車両が運行を休止していた為、文湖線の全列車が370型で運行していた。
内湖線開業直後に撮影。文山線に遮音板が設置される前で、視界が広い(現在は全区間設置済み)。
内湖線区間で離合する新旧車両。VAL256は内湖線開業から1年以上経ってから営業運転で乗り入れるようになった。

Full HD Video
自動列車制御システムの改修に伴う1年以上の営業休止期間を経て運用に復帰したVAL256が、後輩の370型と離合する。

Full HD Video
すぐにポイントを切り替えて折返し運転を行う列車。

内湖線370型電車走行音(大直→松山機場) IGBT-VVVF制御で、制御装置はBombardier製。
Mc-Mc+Mc-Mc(4M0T)の4両編成。
扉開閉時にはドアチャイムが鳴る。
内湖線370型走行音(東湖→葫洲)
内湖線370型走行音(内湖→文徳)
文山線370型走行音(南京東路→忠孝復興)
文山線370型走行音(忠孝復興→大安)
文山線370型走行音(六張犁→麟光)

「台北捷運車両紹介」に戻る

Tweet