チャンギ国際空港 Skytrain

シンガポール・チャンギ国際空港(Changi Airport)は、Teminal 1〜3を結ぶ交通手段として、「Skytrain」(スカイトレイン)と総称される新交通システム(APM)が運行されている。路線は、A-South〜A、A〜F、B〜C、B〜E、D〜Eを結ぶ路線の5路線で、総延長は6.4km、駅数は7(駅名のアルファベットは、最寄の搭乗ゲート名にあわせている)。A-South〜A〜FとC〜B〜E〜Dの路線で、軌道は完全に分離しており、独立した検修設備を備えている。1990年にD〜E(開業時の名称はそれぞれTeminal 1〜Terminal 2)間1.3kmが開通し、2006年に同区間を設備更新、2007年にTerminal 3の開業に伴い、その他の区間が開通した。運賃は無料。5:00〜2:30に運行されている。
A〜F、B〜Eは単線(路線中間部に行き違い設備あり)、その他の区間は双単線で、第三軌条方式による直流750V電化。システムは当初はAdtranz製で、車両もC-100型(後のSMRTブキ・パンジャン線とほぼ同一仕様)が使用されていたが、2006年に三菱重工製のシステムに全面更新された。更新の際、既存線(D〜E間)の高架設備は極力流用されたが、中央案内式→側方案内式への変更に伴い、案内軌道や走行路はすべて交換されている。
A-South〜Aを結ぶ路線、B〜Cを結ぶ路線と、D〜Eを結ぶ路線のうち乗り継ぎ客用の列車は単行、その他の路線は2両編成で運行されている。B〜Eを結ぶ路線は、乗り継ぎ客用の車両と一般客用の車両を併結した2両編成である(車内の通り抜けは不可)。車両は三菱重工製のクリスタルムーバーで、2005〜2006年に全16両が導入された。うち、C〜B〜E〜Dの路線に10両(車両番号:1〜10)、A-South〜A〜Fの路線に6両(車両番号:11〜16)が配置され、両者で座席の配色が異なっている。完全無人運転を行い、車内には防犯カメラが2台設置されている。車両寸法は長さ12,550mm×幅2,690mm×高さ3,725mm。

(路線図:管理人制作)

Skytrainのクリスタルムーバー。専用のデザインの車両が採用されている。

Station Dにて
Station Eに停車中の、Station D行きの列車。両運転台の車両を単行または2両編成で運行しており、設計上は3両編成までの運行が可能となっている。床下機器は限られたスペースに所狭しと配置されている。
朝焼けで染まる空の下を進む列車。

Station Bにて
B〜E間を結ぶ路線は、他の路線と2箇所で立体交差している。
一部の車両は、前照灯が超高輝度白色LEDとなっている。
A〜F間を結ぶ列車。A-South〜Aを結ぶ列車と共に、乗り継ぎ客のみが乗車できる。
C〜B〜E〜Dの路線用(車両番号:1〜10)のクリスタルムーバーの車内の様子。座席・非常扉付近のFRPの配色は青。座席は車端部に2人掛けのものが4箇所設置されている。
A-South〜A〜Fの路線用(車両番号:11〜16)のクリスタルムーバーの車内の様子。座席・非常扉付近のFRPの配色はオレンジ。
車端部。無人運転のため、全面展望が可能。座席はFRP製。
ドア周り。
ドア付近に、枕木方向に設置されているLED式車内案内表示器。
「クリスタルムーバー」(三菱重工)の車内銘板。
Station CのSkytrain乗り場。Skytrainのサインシステムは写真のもので統一されている。なお、チャンギ国際空港の各案内標識は、英語・中国語(簡体字)・マレー語・日本語の4ヶ国語表記。
Station Dのホーム。全駅プラットホームスクリーンドア(PSD)完備。
Station Fに停車中の列車。
駅名標。
一般客用の列車が発着する、Station Dのホーム。2006年のシステム改修時にホームやPSDも改装された。
Station Cに併設する、車両基地。
2006年のシステム改修前に使用されていた、Adtranz製のC-100型。1990年製で、2006年に全車廃車された。
システム改修前の、Terminal 1駅(現:Station D)のホームおよびPSD(3つ前の写真と同一地点)。
B〜C、D〜Eを結ぶ路線と立体交差する。路線の中央に行き違い設備があり、対向列車の発車時刻を同期しているため、列車は停車することなく行き違いを行う。
当路線は1990年に開通した既存線を、2006年に改修した。
一般客用の路線。一部区間は既存線の改良である。
Terminal 2からTerminal 3へ向かう。当路線は単線で、路線の中央に行き違い設備がある。
当区間は複線(双単線)であるが、片側の線路は原則使用しておらず、1編成がピストン運転を行っている。
Skytrainシステム改修前の、Adtranz製C-100型の前面展望。同車両は2006年に廃車となった。

クリスタルムーバー走行音(Station B→Station C)IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
cMcの単行ないしcMc-cMcの2両編成。
発車時にはMRT等とは異なる音色のドア閉予告チャイムが鳴る。
クリスタルムーバー走行音(Station C→Station B)
クリスタルムーバー走行音(Station A→Station A-South)
クリスタルムーバー走行音(Station A-South→Station A)

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