元 名鉄キハ8500系運行状況

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元名鉄キハ8500系は2016年10月17日よりTanjung Aru(タンジュンアル)〜Beaufort(ボーフォート)間84.7kmを1日1往復する運用を開始した。「Kelas Pertama」(マレー語でFirst Classの意味)と呼ばれる優等列車で使用されており、途中停車駅はPaparのみであった(2017年4月頃より、各駅停車に変更)。運賃は普通列車(Kelas Ekonomi)の3倍以上で、Tanjung Aru〜Beaufort間の運賃は14.45リンギット。

毎日運行で、2016年10月24日改正時の運行ダイヤは以下の通りであった。

103/106列車:Tanjung Aru 13:30発→Papar 14:20発→Beaufort 15:10着
504/508列車:Beaufort 15:30発→Papar 16:20発→Tanjung Aru 17:10着


全席自由席だが、乗車券は60席限定で販売されている(乗車券は乗車日当日のみ購入可)。

※乗客減により2017年8月頃より定期運用を休止しており、2017年11月現在は主に団体専用列車として使用されている。


最高速度約90km/hで本線を疾走するキハ8502。会津鉄道時代は高速運転の性能を持て余していた感があったが、ここサバ州立鉄道ではキハ8500系の性能をフルに発揮できている。Tanjung Aru〜Beaufort間の軌道は2007年〜2011年に全面運休して整備し、高規格なものとなっている。

Tanjung Aru〜Putatanにて
キハ8500系は片運転台車ながら、キハ8503の整備が終わるまではキハ8502による単行運転を行っている。後ろは標識灯や反射板等も特に設置されていない。
2016年10月1日に新駅に移転したTanjung Aru駅に佇むキハ8502。Kinarut基地で午前中に検査を行う場合を除いて、午後の運転時刻まではTanjung Aru駅のホームで前日から停泊している。
普通列車(右)と並ぶ。
Tanjung Aru駅発車時刻の少し前に、転車台で方向転換のため一旦ホームを離れる。
転車台へ向かうキハ8502。転車台はTanjung Aru駅から北(Sembulan駅方面)に600m程離れたところにある。
転車台に入線する。キハ8502の進路の先の行き止まりが転車台部分。
転車台で方向転換するキハ8502。キハ8503デビュー後は方向転換が不要となるため、単行運転している間だけの期間限定の光景である。この転車台は観光列車「北ボルネオ鉄道(North Borneo Railway)」の蒸気機関車用の転車台として整備されたものである。
方向転換を終え、再びTanjung Aru駅方向へと戻ってゆく。
Tanjung Aru駅に再入線するキハ8502。
近代的なTanjung Aru駅にて出発の時を待つ。
折り戸を開けて客扱い中。乗降口は後ろ側1箇所のみである。
車内の様子。営業運転開始後初の土曜日(2016年10月22日)で、乗客は20名前後であった。乗車券は60席限定で発売されている。
荷物棚には日本語表記が残っている。全席自由席のため、特に修正の必要なしと判断されたと思われる。
乗務員室仕切りはガラス張りであり、名鉄・会津鉄道時代と同様に前面展望を楽しむことができる。前面展望に最も適した座席は1C席・1D席である。
Tanjung Aru駅を発車。幹線道路と並行した後、一直線の軌道が続く。キハ8500系は持ち味の高加速度でぐいぐいと加速し、この区間を時速90km/h程で駆け抜けてゆく。普通列車では通常この区間は最高65km/h程しか出さない。
Kinarut駅を通過。
快走していても、時折線路上を歩く動物が現れると減速を強いられることも。人が横断することもあり、見通しが悪い場所や踏切では警笛を鳴らして走る。
踏切はすべて踏切警手による手動開閉である。運転士は踏切警手に合図をしながら通過する。
デッキの様子。単行運転のため、貫通扉越しに風景が後ろに流れていくのが見える。トイレや洗面台も使用できる。
デッキには会津鉄道時代に追加された、芦ノ牧温泉駅長(当時)の故「バス」の広告が残る。
(Kinarut基地を見学した際に、職員の方々がこの広告を「Kucing!」(猫!)と嬉しそうに案内してくれたので、この広告が愛されているようだ)
Kawang〜Papar間の、サバ州立鉄道唯一のトンネル(延長185m)を抜ける。
Papar駅に入線。この列車唯一の途中停車駅である。
Papar駅に到着。
次のKimanis駅では運転停車。
定刻よりも20分近く早く、終点のBeaufort駅に入線。駅に隣接する車両基地が車窓から見えてきた。
Beaufortに到着後、すぐに駅脇のデルタ線を用いて方向転換を行う。
駅の南にあるデルタ線の終端部。手動のポイントを切り替える職員が添乗し、手際よくデルタ線を進んでいく。
方向転換が完了し、Beaufort駅のホームで折り返し待ちのキハ8502。
Beaufort駅の車両基地に留置中のBeaufort〜Tenom間用(ジョージ線)の車両と顔を合わせる。
Halogilat(ハロギラット)からの普通列車と縦列停車。
Halogilat行きのインド製DMU(気動車)と並ぶ。
Tanjung Aru行きの復路の様子。Papar駅に停車中。
次のKawang駅にて普通列車と行き違いのため運転停車。
(乗車したのは現行ダイヤへの改正前であり、現在は行き違いしない)
夜のTanjung Aru駅に帰ってきたキハ8502。翌日午後まで再び当駅で待機する。
2016年10月17日からサバ州立鉄道で営業運転を開始した、元名鉄キハ8500系の全区間前面展望(キハ8502による単行運転)。「First Class」という名の優等列車で運行され、最高速度は約90km/h。途中停車駅はPaparのみで、85kmの道のりを1時間半弱で走行する俊足運転である。
片運転台車であるキハ8502を用いた単行運転のため、Beaufort駅到着後はデルタ線を走行して方向転換する。客扱い終了後のデルタ線走行も含めて全区間を収録した。

※サバ州立鉄道の多大なるご協力のもと、乗務員室にて許可を得て撮影

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コタキナバル国際空港付近を約80km/hで快走してゆくキハ8502。サバ州立鉄道のTanjung Aru〜Beaufort間は概ね線形もよく、高速走行が可能なキハ8500系の性能をフルに発揮している。

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2016年10月17日からサバ州立鉄道で営業運転を開始した元名鉄キハ8500系は、当面キハ8502のみの単行運転を行う。キハ8500系は片運転台車のため、始発駅のTanjung Aru駅では転車台を使用して方向転換する。

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運転台非設置側の貫通扉越しに撮影。2016年10月17日からサバ州立鉄道で営業運転を開始した元名鉄キハ8500系は、当面キハ8502のみの単行運転を行う。キハ8500系は片運転台車のため、折り返し駅のBeaufort駅では駅脇のデルタ線を使用して方向転換する。ポイントはすべて手動で切り替えている。

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Beaufort駅発車時のキハ8502の車窓、及び車内の様子。名鉄・会津鉄道時代と同様、1C席及び1D席が前面展望をするのに最も適した座席である(全席自由席扱い)。荷棚の座席番号表示や乗務員扉等、日本語表記もところどころ残っている。

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Kimanis〜Papar間を高速走行するキハ8502の車窓、及び車内の様子。車内では常にFMラジオが流れている。なお、FMラジオ受信機を乗務員室内に設置した際に、元々設置されていた車内チャイムのスイッチは撤去されている。そのため、JR東海のワイドビューチャイムを鳴らすことはできない。

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キハ8500系「Kelas Pertama」乗車券(表)
サバ州立鉄道標準のバーコード式で、自動改札機のバーコード読み取り機に乗車券をかざす。
列車種別は乗車券に特に表記されていないが、価格表記が普通列車よりも高いことが差異である。

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