ミャンマー国鉄向け電気式気動車 陸送・船積み

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2020年8月中旬、ミャンマー国鉄ヤンゴン-マンダレー線の優等列車として使用される予定の新型電気式気動車の第1編成が新潟トランシスを出場した。また、同月21日に新潟港にて船積みが行われた。

この車両は、日本政府の円借款によって実施される「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズI」※1の一環として導入されるもので、新潟トランシスが6両編成4本(計24両)を製造する。電気式気動車(DEMU)はミャンマー国鉄で初導入であり、また新潟トランシスが電気式気動車を製造するのも国内外向け含めて初である。また、ミャンマーには新潟トランシス製(前身の新潟鐵工所製含む)の中古気動車が多く活躍しているが、新潟トランシスが新造の気動車をミャンマーに輸出するのも初である。車両の運行開始は2021年の予定。

車両は6両固定編成で、中間2両がUPPER CLASS、その他の4両がFIRST CLASSである(ミャンマー国鉄の車両等級はUPPER CLASS(一等車)、FIRST CLASS(二等車)、ORDINARY CLASS(三等車)の3等級制)。設計最高速度は110km/h、営業最高速度は100km/hで、ヤンゴン〜Taungoo(タウングー)の所要時間が現行の約7時間から約3時間20分に大幅に短縮される予定である。なお、「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズI」ではYwar Thagyi(ヤータジー)に当車両専用の車両基地が新設され、電気式気動車のメンテナンス設備が整備される予定である。

なお、「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズU」※2ではスペイン・CAF製の車両が6両編成30本(180両)導入される模様である(同じく日本政府の円借款による)。

※1:ヤンゴン-マンダレー線のうち、ヤンゴン〜タウングー間(約270km)の整備事業
※2:ヤンゴン-マンダレー線のうち、タウングー〜マンダレー間(約350km)の整備事業

※すべて敷地外から撮影

←Mandalay Yangon→
編成 Mc1
(DEMU-F 1000)
M
(DEMU-F 1000)
Ms
(DEMU-U 2000)
Ms
(DEMU-U 2000)
M
(DEMU-F 1000))
Mc2
(DEMU-F 1000)
第1編成 DEMU-F 1001 DEMU-F 1002 DEMU-U 2001 DEMU-U 2002 DEMU-F 1003 DEMU-F 1004
第2編成 DEMU-F 1005 DEMU-F 1006 DEMU-U 2003 DEMU-U 2004 DEMU-F 1007 DEMU-F 1008
第3編成 DEMU-F 1009 DEMU-F 1010 DEMU-U 2005 DEMU-U 2006 DEMU-F 1011 DEMU-F 1012
第4編成 DEMU-F 1013 DEMU-F 1014 DEMU-U 2007 DEMU-U 2008 DEMU-F 1015 DEMU-F 1016

新潟トランシスを出発して港へと向かう、トップナンバーのDEMU-F 1001。
20m級の大型車両が交差点を曲がる。全車両が台車を履いた状態で輸送された。
第1編成の反対側の先頭車(DEMU-F 1004)の陸送。
ミャンマー国鉄向けの新造車両が日本国内を走る貴重な光景。
港に到着。制限区域内へと徐行で入って行く。
バックで港湾内の留置場所へと進む。
クレーン2台で車両を吊り上げ。
夜の港に浮かび上がる新型電気式気動車とクレーン。
続々と港に搬入。
最後の1両の吊り上げ作業。
全6両の港への搬入が完了した。
港に並んだ6両。新造車両だが、LE-DCを彷彿とさせるデザイン。車体のカラーリングはこれまでのミャンマー国鉄の車両にもないものである。側窓はすべて開閉可能。6両固定編成で、運転台があるのは両端の2両のみ。各車両の連結器はすべて小型自動密着連結器を採用。
ミャンマー国鉄の車両限界に合わせ、屋根上に薄型の冷房装置が各車両2台設置されているのが分かる。
前面の拡大。前照灯・尾灯はすべてLED。貫通路にはMR(ミャンマー国鉄)のロゴマークが入っている。
電気式気動車のため、床下にはVVVFインバータがある。制御装置は三菱電機製。
台車。台車枠に設置された銘板によると台車の形式は「NF-11D」。ボルスタレス台車である。
妻面にある新潟トランシスの製造銘板。
輸出用車両にもかかわらず、銘板が日本語表記であるのは珍しい。
各車両の側面に掲示されたシッピングマーク他。
輸送船(写真奥)と電気式気動車。
DEMU-F 1001から吊り上げの準備が始まった。
クレーン2台で吊り上げられるDEMU-F 1001。
トレーラーに積載。
輸送船のもとへと向かう。
港湾内を移動するDEMU-F 1001。
輸送船の「BBC GERMANY」とDEMU-F 1001。
本船のクレーンにて吊り具を準備中。
本船のクレーンで吊り上げ開始。
車両の向きを変え、船の中へと取り込まれて行く。
船積み中のDEMU-F 1001と、船積みを待つ残り5両。
所定の位置まで移動し、ゆっくりとクレーンを下ろしていく。
残る5両。車端部には車両番号が書かれている。左手前からDEMU-F 1004、DEMU-F 1003、DEMU-U 2002、DEMU-U 2001、DEMU-F 1002。
DEMU-F 1001に続いて、残りの車両も編成順に船積み準備が進められた。
トレーラーへの積載作業が進むDEMU-F 1002。
DEMU-F 1002の山側(マンダレー行き基準で進行方向左側)側面。
各車両ともジャッキアップポイントの直上はワイヤー接触時の車体保護のためブルーシートで養生されている。

DEMU-F 1000番台はFIRST CLASSで、DEMU-Fの「F」はFIRST CLASSの頭文字(DEMUはDiesel Electric Multiple Unitの略で、電気式気動車の意味)。車内の座席は外から観察した限り、2人掛けのボックスシートとなっている。なお、ミャンマー国鉄の車両等級はUPPER CLASS(一等車)、FIRST CLASS(二等車)、ORDINARY CLASS(三等車)の3等級制で、この電気式気動車はUPPER CLASSとFIRST CLASSの2等級のみ連結している。

窓上の養生部にはミャンマー語と英語でFIRST CLASSと書かれている。床下機器は車両にかかわらず、ほぼ同一の構造(全車両が電動車)。電動台車は各車両とも片側のみ。
DEMU-F 1002の海側(マンダレー行き基準で進行方向右側)側面。
本船で船積み中のDEMU-F 1002(写真左奥)と、クレーンで吊り上げられるDEMU-U 2001。
DEMU-U 2001。
DEMU-F 2000番台はUPPER CLASSで、DEMU-Uの「U」はUPPER CLASSの頭文字。車内の座席は外から観察した限り、1人掛け+2人掛けの回転リクライニングシートが並んでおり、側窓もシートピッチに合わせた小型のものとなっている。

窓上の養生部にはミャンマー語と英語でUPPER CLASSと書かれている。

UPPER CLASSは編成中央部に2両連結。
DEMU-U 2001の山側側面。
DEMU-U 2001の海側側面。
DEMU-U 2002の山側側面。DEMU-U 2001とほぼ同一構造。
DEMU-U 2002の海側側面。
DEMU-F 1003の山側側面。DEMU-F1002と同一構造。
DEMU-F 1003の海側側面。
本船で船積み中のDEMU-F 1003(写真左奥)と、クレーンで積載作業中DEMU-U 1004。
港湾内を移動するDEMU-F 1004。
DEMU-F 1004はMc2で、反対側の先頭車のDEMU-F 1001(Mc1)とほぼ同じ構造(ジャンパ線付近の配線がMc1と逆転している)。
輸送船の前を行くDEMU-F 1004。
本船のクレーンでの吊上げ準備が完了したDEMU-F 1004。
吊り上げ開始。
クレーンに吊られて、車両の向きを180度回転。所定の位置まで移動した後、車両を船倉に下ろしていった。
次はミャンマーで会いましょう。
新潟トランシスで製造されたミャンマー国鉄向け新型電気式気動車(DEMU)の第1編成が、2020年8月21日に新潟港で船積みされた。
この列車は6両編成(うち2両はUpper Class)で、「ヤンゴン・マンダレー幹線鉄道」で運行される。2018年に新潟トランシスが4編成24両の納入案件を受注した。

6両の船積みに約7時間要したが、本映像では100倍速に編集した。

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