DD51形ディーゼル機関車は日本国有鉄道(国鉄)時代の1962年〜1978年に649両が製造された車両である。製造会社は日立製作所・川崎車輛・三菱重工業・新三菱重工業の4社。国鉄分割民営化時にJR北海道に25両、JR東日本に29両、JR東海に4両、JR西日本に63両、JR九州に1両、JR貨物に137両が継承された。車両寸法は長さ18,000mm×幅2,971mm×高さ3,956mm。最高速度は95km/h。車体は鋼製。 老朽化等により廃車が進んでいるが、このうちJR貨物のDD51 797・823・1001・1070の4両と、JR北海道のDD51 1006・1068の2両がミャンマー国鉄に譲渡された。各車両の詳細は以下の通り。 ・DD51 797 製造:1972年(日立)、最終配置:愛知機関区、ミャンマー国鉄譲渡:2004年 ・DD51 823 製造:1970年(日立)、最終配置:愛知機関区、ミャンマー国鉄譲渡:2005年 ・DD51 1001 製造:1972年(三菱)、最終配置:門司機関区、ミャンマー国鉄譲渡:2006年 ・DD51 1070 製造:1974年(三菱)、最終配置:門司機関区、ミャンマー国鉄譲渡:2006年 ・DD51 1006 製造:1972年(三菱)、最終配置:函館運輸所、ミャンマー国鉄譲渡:2012年 ・DD51 1068 製造:1974年(三菱)、最終配置:函館運輸所、ミャンマー国鉄譲渡:2012年 現地到着後、車軸の改造、キャブの低屋根化、塗装の変更、排障器の形状変更等の改造が施された。また、DD51 1001・1070の両車両は車体を中央で2分割し、片側に新たなボンネットを接合することで、種車1両につき2両の機関車を生み出した。 |
Insein Locomotive Workshop(Insein機関車工場)にて改造が進む、元JR北海道のDD51 1006及びDD51 1068。 | |
ほぼ改造が完了しているDD51 1006。JR北海道時代の通称北斗星色をベースとした新塗装に変更されている(青はJR北海道時代よりも明るめ)。キャブは低屋根化が完了。 | |
排障器は赤く塗られ、新たにカウキャッチャーを設置。 | |
改造進行中のDD51 1068。塗装変更は未着手。連結器の位置が下げられ、スノープラウを撤去して排障器を下に延長する改造が行われている。 | |
前面の車両番号プレートが撤去された位置には、チョークでJR北海道時代の車両番号が書かれている。 | |
DD51 1068のキャブに僅かに残る星マーク。外板の補修及び塗装変更後は、DD51 1006と同様に星マークは消える。 | |
2013年夏頃に2両とも改造が中断され、一時期はDRCの片隅に留置されていたが、2014年12月頃よりInsein Locomotive Workshopにて整備が再開された。塗装は色褪せてしまったが、今度こその復活に期待がかかる。写真はDD51 1006。 | |
DD51 1006のミャンマー国鉄の車両番号は「DF2027」。 | |
整備中のDD51 1006のキャブ内の様子。低屋根化されているため、やや圧迫感がある。 | |
運転台周り。 | |
計器類の周りにJR北海道時代の車両番号表記(DD51 1006)が残っている。 | |
床板を取り外しており、下に台車が見えた。 | |
同じく再整備中のDD51 1068。 | |
エンジンをかけて各種調整・確認が行われるDD51 1068。 | |
DD51 1068のミャンマー国鉄の車両番号は「DF2012」。 | |
DD51 1068のキャブ内の様子。 | |
ドアにはシッピングマークが貼られたままであった。 | |
Ma Hlwa Gone機関区(Mahlwagon Locomotive Shed)の扇形庫に並ぶ、元JR貨物のDD51 797。塗装はミャンマー国鉄仕様に変更。キャブの低屋根化や排障器・尾灯等の改造が行われている。 | |
正面から見たDD51 797。ミャンマー国鉄の車両番号は「D2D 2201」。 | |
尾灯の位置の変更や排障器周りの改造が目立つ。連結器の位置も下げられている。 | |
キャブには日本時代の車両番号「DD51 797」の切り抜き文字やJR貨物、日立製作所の銘板が残されている。 | |
JR貨物、日立製作所の銘板は文字部分を白色に塗装している。 | |
DD51 797のキャブ内の様子。低屋根化されているため、かがまないとキャブ内の移動は困難。 | |
運転台周り。 | |
各種スイッチや表示には英語表記が追加されている。 | |
前面窓からの視界。 | |
DD51 1001及びDD51 1070は車体中央部で2分割し、元々の1両から2両を作り出した。DD51
1001からDD1101・DD1102、DD51 1070からDD1103・DD1104をそれぞれ製造した。1エンジン化されており、貨物ヤード内の入換等に従事していた。写真はDD1101で、現在は休車。 Ywa-Htaung機関車工場(Ywa-Htaung Locomotive Workshop)にて | |
DD1101の上写真と反対側の前面。新たなボンネットが接合されている。 | |
DD1101の側面。 | |
2014年12月頃よりInsein Locomotive Workshopにて整備が再開されたJR北海道のDD51 1006及びDD51 1068。エンジンをかけて各種調整・確認を行っている。 Full HD Video |