ミャンマー国鉄元 井原鉄道IRT355形

Tweet

井原鉄道IRT355形は1999年の井原線開通にあわせて1998年に一般車両0番台10両(IRT355-01〜10)とイベント対応車両の100番台2両(IRT355-101・102)の12両が製造された。また、2005年には「夢 やすらぎ」の愛称がつけられたイベント対応車両200番台1両(IRT355-201)が増備された。製造会社は新潟鐵工所で、同社標準の軽快気動車(NDC)をベースにステップレスの車体、ボルスタレス台車、電気指令式ブレーキの採用など井原鉄道仕様に設計されたものである。車両寸法は長さ18,000mm×幅3,188mm×高さ4,045mm。最高速度は95km/h。車体は軽量ステンレス製。形式名の「IRT」はIbara Railway Trainの頭文字、「355」は車両の機関出力が355PSであることに由来。

うち、IRT355-07が2013年に廃車となり、2015年にミャンマー国鉄に譲渡された。現地到着後、ステップ設置、車軸の改造等の改造が施された。ミャンマー国鉄初の、ステンレス車体・ボルスタレス台車・電気指令式ブレーキの気動車である。ミャンマー国鉄での車両番号は「RBE3034」。

ミャンマー国鉄初のステンレス車体・ボルスタレス台車・電気指令式ブレーキの気動車となったIRT355形。2015年現在、ミャンマー国鉄へ渡った日本の気動車の中で最も車齢が浅い(1998年製)。

Insein Locomotive Workshopにて
Insein Locomotive Workshopにて改造工事が進められるIRT355-07。
初のステンレス車ということで、改造で苦労していることは特にないか担当者に尋ねたところ、「全くない。むしろステンレス車体のため塗装の手間が省くことが出来、非常に素晴らしい」との回答であった。
上写真の反対側。手前には同時に改造している三陸鉄道36-1100形の座席が置かれている。
先頭部。ミャンマー国鉄初のボルスタレス台車(NP131D台車/NP131T台車)が目を引く。ミャンマー国鉄へ渡った日本の気動車で初のステップレス車であるが、他の車両と同様に車両外側にステップが増設された。
新設されたステップ。
側面の車両番号表記。金属製プレート。
車両側面の井原鉄道のロゴマーク。
スカートに設置された、井原鉄道の銘板と新潟鐵工所の製造所銘板(平成10年製)。
形式・空車重量(自重)・換算・検査表記。
車内の様子。改造の真っ最中で、座席や内装パネル等が取り外されている。
貫通路から車内を見る。冷房装置や網棚、吊り革が取り外されている。
車内の車両番号プレートと、新潟鐵工所の製造所銘板。
客用扉。車内側はステップレスである。その隣には車椅子スペースも設けられている。
トイレ。
Yangon Repair Shop(Yangon工場)に入場中のRBE3034(元IRT355-07)。
側面には低屋根改造部の排水口が設けられた。ステンレス無塗装のため、改造跡が目立つ。
■日本時代の記録
川崎市営埠頭にて、ミャンマーへ譲渡される他の車両とともに船積みの時を待つIRT355-07。

以下、2015年3月21日撮影
三陸鉄道36-1100形の隣で待機するIRT355-07。
車輪の下にはフランジ保護材が設置されている。
井原鉄道のロゴマーク。

「ミャンマー国鉄−日本からの譲渡車両」トップに戻る

Tweet