ソウル地下鉄1号線

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ソウル地下鉄1号線は、清凉里(チョンニャンニ)〜ソウル駅(ソウルリョッ)間10駅7.8kmを結ぶ路線である。全区間地下。全区間が複線(左側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。韓国初の地下鉄路線として、1974年8月15日に全区間が開通した。 開業時より、清凉里よりKORAIL京元電鉄線と、ソウル駅より京釜電鉄線と直通運転を行っている。

列車は10両編成で運行される。使用車両はソウル交通公社1000系と新1000系。

1000系は1号線開業時に導入された、韓国初の地下鉄車両である。鉄道庁(現KORAIL)1000系初期抵抗車と共通設計で、日本の国鉄103系や415系等の技術をベースとしている。鋼製車体・抵抗制御。現在運用されているのは1989年以降製造の車両で、先頭車(Tc)は全車両が中間車(T)からの改造車である。車体寸法は、高さ20,000mm、幅3,120mm、高さ4,500mm。最高速度は110km/h。

1000系は1974年・1977年・1989年・1999年・2003年の5次に亘って製造されている。
・1974年導入の1次車は日立製作所製で、6両編成10本(60両)が製造された。
・1977年導入の2次車は増備車両として、6両編成6本(36両)が大宇重工業でノックダウン製造された。
・1989年導入の3次車は全編成10両編成化のため、全車両が中間車(MM'およびT)である(大宇重工業・現代精工製)。
・1999年導入の4次車は、1次車全廃に伴って3次車の先頭車化改造車および編成組み換えを行った結果、不足となったMM'ユニットを補うため、4両が製造された。車体は従来車と同様の鋼製だが、側窓や扉形状は新1000系と類似している。
・2003年導入の5次車は、2002年2月に京釜電鉄線水原駅で発生した追突事故に伴う代替新造車両である(ROTEM製)。なお、当事故により3次車1両と4次車2両(Tc-M-M')が事故廃車となっている。また、当車両が韓国で最後に新造された鋼製の地下鉄車両となる。
現在、第1編成(初代101F;1001-1101-1301-1102-1302-1002)の6両が新亭車両事業所に保存されており、将来的に建設予定の地下鉄博物館に展示される予定である。

新1000系は、1000系の法定耐用年数に達する車両を置き換えるために導入された車両で、1998年〜1999年に1次車として10両編成6本、2002年に2次車として10両編成4本の、合計10両編成10本(100両)が製造された。ステンレス車体・VVVF制御。1次車は現代精工製、2次車はROTEM製造である。ソウル交通公社4050系をベースにしているが、行先表示機のLED化、ドア鴨居部へのマップ式案内装置の採用(現在使用中止・撤去済)等の仕様変更が行われている。なお、105編成・106編成・109編成・110編成の各付随車2両(計8両)は、1000系3次車からの編入車である。車体寸法は、高さ20,000mm、幅3,120mm、高さ4,500mm。最高速度は110km/h。110Fの1610号車は座席収納車に改造されたが、不燃化改造時に通常の座席に戻された。

KORAILからは、1000系および311000系が乗り入れる。

(路線図:管理人制作)

ソウル交通公社新1000系。4号線の新4000系・4050系と基本デザインは同一である。

龍山にて
全電動車にパンタグラフを設置しており2・3、8・9号車間はダブルパンタ車が2両連続して連結される。5M5Tの10両編成でパンタグラフは10基。離線しにくい交流区間でも片方パンタグラフを下げることはない。
新1000系不燃化改造施工車車内。座席および化粧版・袖仕切・床敷物・ラインデリア等がすべて不燃性・難燃性の物に交換されている。
新1000系不燃化改造施工車車内。座席はステンレスに交換されているが、その他の可燃性の内装材は未交換。現在は全車が不燃化改造を施工したため、現存しない。
ドアの鴨居部にはマップ式の案内表示機を設置。運行範囲の拡大や途中駅の新規開業に対応できず、現在は撤去されている。
車内枕木方向に2箇所、計4基設置されているLED式案内表示機。ワールドカップ開催の頃、韓国語・英語表示以外に漢字表示(韓国式表記)も対応できるよう改善された。
車端部には携帯電話の充電器が設置されている。
新1000系のうち、4号車と7号車に1000系改造の付属車2両を組み込んだ編成。105F、106F、109F、110の計4編成が該当する。110Fは7号車に「収納座席車両」を組み込んでいる。

鷺梁津にて
上記編成に組み込まれている1000系改造の付属車。新1000系にあわせた塗装・仕様(車内のLED設置、冷房装置の集中冷房化等)に改造されている。
新1000系110Fの1610号車のみで試行されていた収納座席。当車両は1000系の改造車である。
収納座席。日本製で、JR東日本の209系サハ208(消滅)、E231系サハE230等、6扉車で用いられている座席と同一仕様。日本と同様に、座席使用可能時は黄緑色のランプが点灯する。
当車両の不燃化改造時に座席は撤去され、通常仕様のものに交換されたため、現存しない。
ソウル交通公社1000系。現在は3次車を先頭車化改造した改造した編成のみ残存。10両編成6本(60両)が在籍。

龍山にて
1000系不燃化改造施工車車内。座席および化粧版・袖仕切・床敷物・ラインデリア等がすべて不燃性・難燃性の物に交換されている。
1000系不燃化改造施工車車内。現在は全車が不燃化改造を施工したため、現存しない。
1号線の駅の様子。日本が建設に協力したため、どことなく少し昔の日本の地下鉄の駅に似ている雰囲気だ。なお、現在は全駅にプラットホームスクリーンドアが設置された。

鐘閣にて
京釜電鉄線の新道林駅を発車する、西東灘行きのソウル交通公社新1000系。

ソウル交通公社新1000系走行音(東大門→新設洞)IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
Tc-M-M-T-M-T-T-M-M-Tc (5M5T)の10両編成。
ドアエンジンは空気圧作動式。
ソウル交通公社新1000系走行音(鐘路5街→東大門)
ソウル交通公社1000系走行音(南営→ソウル駅)抵抗制御。
Tc-M-M'-T-M-M'-T-M-M'-Tc (6M4T)の10両編成。
ドアエンジンは空気圧作動式。
JR103系等で使用されているMT55に似た音がする。当録音区間の南営〜ソウル駅間にはデッドセクションが存在する。

関連ページ:ソウルメトロ初期抵抗車ソウル地下鉄1号線東廟アプ駅開業
京釜電鉄線京仁線京元電鉄線

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