新トングリ車両試運転

2005年12月、韓国鉄道公社京釜電鉄線・京仁線・京元線・中央線の法定寿命25年に達する車両の置き換え用に新型車両が登場した。今回登場したのは5000系新トングリ車で、5067編成(5x67編成)から5072編成(5x72編成)までの10両編成6本の60両が落成した。今後もさらに6編成60両増備の予定。前面デザインが大幅に変更されたのが外観上最大の特徴だ。
1両あたりの価格が約10億ウォン(約1億円)の同車は貫通幌を二重のビニール製にして騒音遮断を図ったほか、椅子や床敷物、貫通幌などを不燃性素材で製作、防火性などの安全項目に対してイギリス・フランス・アメリカの火災安全基準をクリアしたという。火災探知機と非常通話装置も各車ごとに追加されるなど安全面と騒音の面で大幅に改善された。ドアエンジンも従来の空気式から電気式に変更された。
この新型車両の試運転を2005/12/27に偶然目撃したので紹介する。なお、2005年12月末現在は5067編成(5x67編成)を除いて試運転中であり、営業運転には就いていなかった。

関連ページ:新トングリ車両営業運転開始

前面デザインを大幅に変更し、奇抜な外観の新トングリ車(5x68編成)。試運転列車である。
九老にて
試運転を終え、夜の九老に停車中の新トングリ車の試運転列車。5x72編成。
前面デザインのクロースアップ。ライト配置は東京メトロ新05系のような「釣り目」。前面のガラス面積は従来車より小さくなっている。スカートは一体感を持たせたものとなった。
先頭部側面。側扉は外側の取っ手の設置位置が従来車より高くなっている。ドアエンジンは電気式。ドアの窓ガラスには「試運転車両」という貼り紙が。
台車は従来のトングリと基本仕様は同一だ。
行先表示機はLED式で韓国語と英語を交互表示。表示は「試運転(シウンジョン)」。
信号が開通し、九老車両事業所に入庫していく。
夕暮れの衿井に入線する新トングリ試運転列車(5x72F)。車内には走行中のデータ収集用と思われる機器が搭載されている。駅停車時には試運転列車のためホームと反対側のドアを開閉して試験していた。車外スピーカーではこの列車が試運転列車であるとの放送をしている。内装が従来車と袖仕切りの形状などが変更されているのが確認できる。

関連ページ:新トングリ車両営業運転開始

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