ミラノ地下鉄 5号線
Metropolitana di Milano - Linea 5 / Milan Metro Line 5


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ミラノ地下鉄5号線はBignami(ビニャーミ)〜San Siro Stadio(サンシーロスターディオ)間19駅12.9kmを結ぶ路線である。全区間地下。全区間複線(右側通行)で、第三軌条集電方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。保安装置はATP及びATO。無人運転(全自動運転)を行っている。車両基地はBignami駅付近に位置する。なお、同じ場所に5号線の運行管理センターも併設されている。

2013年2月10日にBignami〜Zara間、2014年3月1日にZara〜Garibaldi FS間、2015年4月29日にGaribaldi FS〜San Siro Stadio間が開通した(但し、途中のPortello駅は2015年6月6日、Cenisio駅は2015年6月20日、Gerusalemme駅は2015年9月26日、Monumentale駅は2015年10月11日、Tre Torri駅は2015年11月14日に開業した)。

ミラノ地下鉄で初の無人運転(全自動運転)を実施している。また、ミラノ地下鉄で初めて全駅にプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置された。先に開業した1〜3号線は大型車両で運行されているのに対し、5号線は需要見込みや建設コスト圧縮の観点から小型車両となり、トンネル断面も小型化された。

5号線の路線の建設と管理・運営は、Ansaldo STS・Astaldi・ATM(Azienda Trasporti Milanesi S.p.A.)等の合弁企業である「Metro 5 S.p.A.」が担う。(同社による運営は2040年までの予定)。

Garibaldi FS駅付近に2号線との短絡線があり、車両の大規模な修繕は2号線のFamagosta基地で行われる。

列車は終日4両編成(4連接車)で運転される。車両はAnsaldoBreda製のDriverless Metro。4両編成21本(84両)が製造された。同タイプの車両はコペンハーゲンで2002年に初めて導入され、ブレーシア・ローマ・ホノルル・台北・テッサロニキ等でも運行されている(導入都市により1編成あたりの両数は異なるが、基本的な仕様は統一されている)。車体はアルミ合金製。車両の制御方式はIGBT素子VVVFインバーター制御。車両寸法は長さ50,500mm(編成あたり)×幅2,650mm×高さ3,700mm。加速度・減速度(常用)は最大4.68km/h/s、営業最高速度は80km/h。車両番号は5500番台で、Bignami側から順に第1編成は5501A-5501C-5501D-5501B、第2編成は5502A-5502C-5502D-5502B)…と附番され、下2桁が編成番号、末尾の記号が連結位置を示す。

BignamiからMonzaまでの延伸計画がある。

(路線図:管理人制作)


ミラノ地下鉄初の無人運転(全自動運転)、小型車両規格が採用された5号線。AnsaldoBreda製Driverless Metroが開業に合わせて21編成が製造された。4連接車である。

Isolaにて
車両の前頭部。車体はアルミ製で、先頭部のみFRP製である。
車体側面の製造会社(AnsaldoBreda)表記。
車体側面。車体は白地で、窓下にラインカラーの紫帯が連なる。さらに、帯の部分には5号線の駅名表記が連なり、車体側面全体が路線図のようになっている。
車内の様子。
ドア間は4人掛けボックスシートが左右に2組設置されている。
車端部はロングシート。
ドア周り。無人運転のため、非常通報装置等は目立つ配置となっている。
ドアの鴨居部に掲示されている路線図。
編成両端。折り畳み式座席と車椅子スペースが設置されている。
一番端は2人掛けのクロスシートが設置されている。運転台は通常格納されている。
先頭からの前面展望。5号線はミラノ地下鉄で初の前面展望可能な路線となった。全区間地下で、ほぼ全区間がシールド工法によって掘削されている。
前面窓のフレームにある車両番号表記。
改札口。自動改札機の扉はガラス製。
各駅のホームは、ミラノ地下鉄で初のプラットホームスクリーンドア(PSD)が設置された。無人運転実施のための安全対策である。ドアは開いている間、ドア上の照明が点灯する。
ホーム上のLED式列車案内表示器。到着までの残り時間が2つ後の列車まで表示される。
起点駅のBignami駅。駅前は31番トラムの軌道が敷かれている。
Bignami駅のホーム。
Bignami駅は2面2線の相対式ホームだが、ラッシュ時以外は基本的に片側(西側、写真左側)のホームのみ使用している。
Bignami駅の北側の車両基地。規模は小さく、小規模な検査や修繕のみ対応。車両の大規模な修繕は2号線のFamagosta基地で行われる。
また、5号線の運行管理センターも同所にある。
Bignami〜Marche間及びGaribaldi FSのIsola寄り〜Monumentale間は複線シールドトンネルで建設されている。

Istriaにて
Viale Fulvio Testi(Fulvio Testi通り)とViale Zara(Zara通り)の直下を南北に一直線に貫く。Bignami〜Marche間はほぼ直線である。

Marcheにて
Isola駅に入線する列車。Isola駅の前後は開削工法で建設されている。
Garibaldi FS駅。1面2線の島式ホームで、ホームは吹き抜け構造で広々とした雰囲気。ミラノの主要鉄道駅であるPorta Garibaldi駅と接続しており、さらに地下鉄2号線・Passante Ferroviarioとの乗換駅で、5号線で最大の主要駅である。
Garibaldi FS駅の駅名標。5号線のGaribaldi FS駅はネーミングライツにより、駅名が「Garibaldi FS NISSAN」駅となっている。
Garibaldi FS駅の改札口。
Garibaldi FS駅の出入口。5号線の出入口のみ、ネーミングライツスポンサーの日産自動車の看板が掲げられている。
Zara駅の前後とMonumentale〜San Siro Stadio間は単線シールドトンネルとなっている。

Portelloにて
終点のSan Siro Stadio駅。駅名の通り、世界的に有名なサッカー競技場、「サン・シーロ」(正式名称:Stadio Giuseppe Meazza)の目の前にある。
San Siro Stadio駅のサッカー開催日専用の出入口。
San Siro Stadio駅はサッカー開催日は非常に多くのサポーターで混みあうことから、出入口や改札は大人数に対応できるよう設計されている。なお、普段は利用客はそこまで多くはない。
San Siro Stadio駅のホーム。
San Siro Stadio駅もBignami駅とは2面2線の相対式ホームだが、ラッシュ時以外は基本的に片側(南側、写真左側)のホームのみ使用している。
San Siro Stadio駅の西側の留置線。
Zara駅前での工事の様子。Viale Zara(Zara通り)の中央の道路を封鎖して工事が行われた。

2009年2月13日撮影
ミラノ地下鉄5号線全区間(19駅12.9km)の前面展望の様子。AnsaldoBreda製のDriverless Metro車両を使用しており、終日自動運転をしている。前面展望は抜群。全区間地下。

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1駅間の車内の様子。AnsaldoBreda製のDriverless Metro車両を使用している。同タイプの車両はコペンハーゲン・ブレーシア・ローマ・ホノルル・台北・テッサロニキ等でも運行されている。車端部はロングシート(編成両端はクロスシート)、中央部はボックスシートを採用。

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カーブを曲がってPortello駅に入線し、そして発車するBignami行きの列車。5号線はミラノ地下鉄で初の無人運転(全自動運転)を行っており、プラットホームスクリーンドア(PSD)も完備している。

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San Siro Ippodromo駅に到着する、San Siro Stadio行きの電車。一番前のドアが故障しており使用停止しているが、日本のように途中で車両交換することもなく使用し続けており(修理する日まで使用継続)、ホームドアも故障したドアの箇所は開かないよう対応している。

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Garibaldi FS駅に入線する、San Siro Stadio行きの列車。5号線のGaribaldi FS駅はネーミングライツにより、駅名が「Garibaldi FS NISSAN」駅となっている。

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