MRT Jakarta (MRTJ) 南北線

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MRT Jakarta 南北線(インドネシア語:Jalur Utara - Selatan)はBundaran HI(ブンダラン・ハイ)〜Lebak Bulus(ルバック・ブルス)間13駅15.7kmを結ぶ路線である。うち、ASEAN(アセアン)〜Lebak Bulus間は地上区間である。全区間複線(右側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,067mm(狭軌)。営業最高速度は100km/h(地下区間は80km/h)。車両基地はLebak Bulus駅の南側に隣接している。

当路線はインドネシア初となる地下鉄である。また、インドネシアの鉄道で初の本格的な保安装置を常時使用している路線で、信号システムはCBTC方式のATO・ATPを採用している。終日ワンマン運転を実施。

本邦技術活用条件(STEP)適用案件として日本の円借款によって整備され、路線の計画から建設工事、車両製造、システム等の整備、運営管理のノウハウや運行現場で働く人材の育成等に至るまで日本企業が関わった。そのため、車両や設備は日本の最近の都市鉄道のものに非常に類似している。

2019年4月1日に営業運転を開始した(2019年3月24日にジョコ大統領出席のもと開業式が開催された)。

列車は6両編成で運転される。車両は日本車両製。詳細は別ページにて紹介する。こちらをご覧ください。

2期区間として、2024年頃にKota(コタ)〜Bundaran HIが開通予定である。

(路線図:管理人制作)

日本の鉄道分野の「パッケージ型インフラ輸出」によって完成したMRT Jakarta。車両・軌道・架線周りも日本の規格に準拠しており、まるで日本のような雰囲気である。

Fatmawatiにて
高架区間を行くBundaran HI行きの列車。ASEAN〜Lebak Bulusの7駅間は地上区間である。車両はすべて日本車両製。

ASEANにて
Dukuh Atas駅の出入口の外観。入口の周りに遊歩道等も整備された。なお、当駅はKCI(KRL Commuter Line)のSudirman駅、ARS(空港鉄道)のSudirman Baru駅(BNI City駅)との接続駅で、改札外で数分で乗り継ぐことが出来る。
Dukuh Atas駅のコンコース。
Dukuh Atas駅の改札口。中央に友人窓口、両脇に自動改札機がある。
ホーム方面を示すピクトグラム。シンプルかつ分かりやすい表示で纏められている。
出口及びKCIへの乗換えを示すピクトグラム。
(KCIのピクトグラムは205系風となっている)
Dukuh Atas駅のホームとコンコースを結ぶエスカレーターと階段。どの駅もエスカレーターは基本的に上り方面しかなく、下りは階段またはエレベーターを使用する必要がある。
Dukuh Atas駅のホーム。1期区間では、地下駅はすべて島式ホームとなっている。
地下駅はすべてプラットホームスクリーンドア(PSD)が完備されている。
プラットホームスクリーンドア(PSD)上の路線図。
ホーム上の発車案内表示器。フルカラーLEDが使用されている。なお、インドネシアの都市鉄道で初めて、発車時間が表示されるものが使用されている。(KCIでは行先と次の列車の現在位置は表示されるが、発車時間表示はなし)
列車接近表示。インドネシア語と英語で表示される。なお、自動放送もインドネシア語と英語で放送される。
毎日7:00〜9:00及び17:00〜19:00において、進行方向一番前の車両は女性専用車として運行している(2019年5月2日より運用開始)。各駅のホームの女性専用車乗降口の床にはステッカーが貼られている。なお、上下線で設定車両が異なるため、車両側にはステッカー掲示はない。
1期区間の北側の終点であるBundaran HI駅。ホームの南側に両渡り線があり、原則として交互発着する。
Bundaran HI駅の北側の線路終端部。ここから先、2期区間としてKotaまで延長される予定である。
Bundaran HI駅に設置されている、日本・インドネシアが協力してMRT Jakartaを建設したことを示す看板(仮設)。
2019年12月には日本のODAによって建設されたことがインドネシア語・英語・日本語で書かれた本設の銘板も同駅の出入口1ヶ所に設置された。
ASEAN駅の北側で、地下から高架へと駆け上がるLebak Bulus行きの列車。軌道脇の標識によると勾配は30.6‰で、営業線上では最急勾配と思われる。
ASEAN駅を出発する、Lebak Bulus行きの列車。当駅から南側は高架である。
ASEAN駅の南側で交差する、TransJakarta13号線(コリドー13)の専用高架道路。MRTJとの交差部の直上にCSW停留所がある(2019年4月現在未開業)。
高架区間はすべて相対式ホームのため、標識にも行先(方面)表示が加わる。
ASEAN駅のホーム。地上駅はすべて可動式ホーム柵(APG)が完備されている。APGは総ガラス張りだが、開口部以外は広告スペースになっている駅が多い。
Blok Mに入線するBundaran HI行きの列車。
Blok Mに入線するLebak Bulus行きの列車。
Blok Mは異常時対応や夜間停泊のため、中線がある2面3線の構造である(Lebak Bulus方面が1番線、Bundaran HI方面が2番線、中線が3番線)。屋根はテフロン膜を使用しており、時間帯によってLED照明によりカラフルにライトアップされる。
Blok Mの駅名標。
勾配を上ってBlok Aに入線するLebak Bulus行きの列車。
Blok Aに入線するBundaran HI行きの列車。
ホーム上の発車案内表示器。地上駅では柱に設置されている。番線は全区間でLebak Bulus方面が1番線、Bundaran HI方面が2番線に統一。
発車案内表示器は列車発車時もインドネシア語と英語で案内文が点滅表示される。(乗客が列車に近づくことを警告するためか?)
停止位置目標(+印のもの。KCI等とも共通のマーク)。異常時は片側の線路のみ使用することも考慮しているため、停止位置目標は両ホームの両先端に設置されている。
各駅には改札内にトイレに加え、祈祷室も完備している。
また、トイレも衛生的で、主要駅では温水洗浄便座を備える。
S字カーブを抜けてCipete Raya駅に入線する、Bundaran HI行きの列車。
Fatmawati駅東側の急カーブを通過する、Lebak Bulus行きの列車。このカーブは軌道脇の標識によると半径180mで、営業線上では最急曲線。
Fatmawati駅はホームがMRTJで最も高い位置にある。南側は高いビルも少なく、遠くまで見渡すことが出来る。
夕日を浴びて、終点のLebak Bulusに入線する列車。
Lebak Bulus駅のホーム。当駅も相対式ホームで、乗車用ホームと降車用ホームが分離されている。
Lebak Bulus駅の西側に一旦引き上げて折り返す。各駅のホームは現在6両編成分の有効長だが、将来の8両編成化に備えたスペースが準備されている(写真手前の部分)。
折り返しBundaran HI行きの列車が入線。日本と同様、構内入換時は前照灯・尾灯両点灯となる。
夜のLebak Bulus駅に入線する、折り返しBundaran HI行きの列車。
Lebak Bulus駅の外観。当駅ではTransJakartaと接続している(写真右手前がTransJakarta)。
Lebak Bulus駅の南側には車両基地が隣接している。
夜の車両基地。
車両基地の一角に設置されている、車両のモックアップ。現行の車両とはデザインが異なっており、設計過程の旧デザインのもの(参考)のように見える。詳細不明。
各駅の駅構内(切符売り場の隣)には1店舗分のテナントスペースがあり、ファミリーマートやスターバックス、ヘアカット店等が入居している。

Lebak Bulusにて
Blok M駅に入線〜発車する、Lebak Bulus行きの列車。映像冒頭に映る高架を行くバスはトランスジャカルタ(専用高架区間)。

Full HD Video
ASEAN駅にて入線から発車までの様子を撮影。列車接近時・発車時に自動放送がインドネシア語・英語の2か国語で流れる。
開業直後に撮影したため、ホームで記念撮影する乗客も多い。

Full HD Video
ASEAN駅に入線する、Bundaran HI行きの列車。多くの車両がラッピングされている。

Full HD Video
Blok A駅に入線する、Bundaran HI行きの列車(第1編成)。車両は日本車両製。

Full HD Video
自動改札機は日本信号製で、エラー音は日本向けのものと同一。乗車券はICカードのみで、読取速度が日本よりも若干遅い印象を受ける。

Full HD Video
自動改札機は全駅とも日本信号製で、エラー音は日本向けのものと同一。形状も日本のものに類似している。

Full HD Video

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