LRT Jakarta (LRTJ) 路線紹介

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LRT JakartaはPegangsaan Dua(プガンサアン・ドゥア)〜Velodrome(フェロドローム)間6駅5.8kmを結ぶ路線である。全区間が地上(高架)区間である。全区間複線(右側通行)で、第三軌条集電方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。営業最高速度は60km/h。車両基地はPegangsaan Dua駅にある。

当路線はパレンバンに次いでインドネシアで2番目のLRT(軽量軌道交通)で、ジャカルタでは初採用である。保安装置はATS(将来的にCBTC方式での運転を計画している)。終日ワンマン運転を実施している。

韓国鉄道施設公団が当LRT事業の一部を受注し、車両も韓国の現代ROTEM・宇進産電製である等、韓国の技術支援によって建設された。車両以外でも、電力・変電設備、信号設備、運転指令設備、車両基地の検修設備、可動式ホーム柵(APG)、保守用車の製造・納入等を韓国企業が実施した。

2018年アジア競技大会での観客・関係者輸送を担うべく、同大会までの完成を目指して2016年6月より建設が開始された。しかし、工事の遅れで同大会には間に合わず、2018年8月15日よりBoulevard Utara(ブールバード・ウタラ)〜Velodrome間で断続的に試乗会が行われた。2019年6月11日からの試験運行は通常ダイヤで運行され、料金が無料であること以外は実際の営業運転に近い形態で実施された(乗車時に改札等で記名すれば誰でも乗車できた)。また、2019年9月27日にはPegangsaan Dua〜Boulevard Utara間が延伸された。2019年12月1日より営業運転を開始し、運賃は5,000ルピア均一とされた。

列車は2両編成で運転される。詳細は別ページにて紹介する。こちらをご覧ください。

Manggarai・Dukuh Atas経由Tanah Abang方面、及びJakarta Kota方面への延伸計画案があり、最終的にはジャカルタ北部を環状運転する計画である。

(路線図:管理人制作)

離合するLRT Jakartaの列車。終日10分間隔で、2両編成(2連接車)で運行される。試験運行期間は試験的に4両編成での運行も行われた。

Equestrianにて
Equestrian駅を発車する列車。車両は現代ROTEM・宇進産電製。高層マンションが立ち並ぶ中を行くLRTの姿は、韓国の軽電鉄のようにも見える。
Equestrian駅で離合する列車。Pegangsaan Dua駅を除いて各駅とも2面2線の相対式ホームである。各駅のホームの有効長は8両編成分(2連接車×4編成併結分)。
各駅のホームには可動式ホーム柵(APG)が6両分設置されている。韓国のLG SNS製。

Boulevard Utaraにて
全駅にホームドアが設置されているものの、車両側にTASC(定位置停止装置)等は設置されておらず、運転士の技量で定位置に停車させている。停止位置の10m手前に標示がある。
信号システムは最新路線にもかかわらず色灯式である。将来的にはCBTCにする計画もある。
保安装置はATSのみで、地上子が軌道上(信号設置位置の手前)に見える。
ホーム上の発車案内表示器。次の列車の到着までの時間を表示する。
自動券売機。
自動改札機。ブラジルの企業であるMagnetic Autocontrol Ltda.製。乗車券が完全にICカード化されているため、乗車券の挿入口は入場側・出場側ともにない。
自動券売機ICカード読取部。ICカードをタッチすると、残金が表示される。使用できるプリペイド方式のICカードは、Transjakartaと同様に、銀行発行の「JakLingko」・「TapCash」(BNI銀行)、「e-money」(Mandiri銀行)、「Brizzi」(BRI銀行)、「Flazz」(BCA銀行)、「JakCard」(DKI銀行)。運賃は5,000ルピア均一だが、プリペイド方式のICカードを使用する場合、最低8,500ルピア以上の残高が必要。
1期区間の南側の終点のVelodrome駅の外観。
Velodrome駅のコンコース。Pegangsaan Dua駅以外はホームと同じフロアに改札口・切符売り場等がある。
Velodrome駅はTransjakartaの「Pemuda Rawamangun」停留所との専用連絡通路、及びTransjakarta乗り換え客専用の改札口が整備されている。
Velodrome駅のホーム。南端に車止めが設置されている。
軌道上を跨ぐ仮連絡通路。
ホーム南端で途切れた軌道。Tanah Abang方面への延伸が実現すると、軌道はこのすぐ先で90度曲がり、西(写真右方向)へ向かうこととなる。
Velodrome駅に入線する、当駅終点の電車。
折り返してPegangsaan Duaへと向かう。Velodrome駅は2面2線だが、通常は1番線のみ使用している。
Equestrian駅のホーム。
Equestrian駅に入線するVelodrome行きの列車。線路を跨ぐ通路があり、さまざまな角度から撮影することが出来る。
Pulomas駅に入線するVelodrome行きの列車。
Boulevard Selatan駅に入線するVelodrome行きの列車。
Boulevard Selatan駅の駅名標。2019年10月時点では各駅とも仮のものであった。
なお、LRT Jakartaはジャカルタの都市鉄道で初めて駅ナンバリング制が導入され、Pegangsaan Duaから順にS-01〜S-06で付番されている。
Boulevard Utara駅に入線する、Pegangsaan Dua行きの列車。建設中の高速道路の高架をアンダーパスする。
Boulevard Utara駅に入線するVelodrome行きの列車。駅の北側に中線がある。Pegangsaan Duaの車両基地の建設が遅れたたため、1期分の車両(8編成)の搬入(クレーンで車両吊り上げ)及び整備は、この中線がある付近で行われた。中線部分には開業前に暫定的な検車庫が設置されたが、現在は撤去されている。
Pegangsaan Dua駅の外観。車両基地と一体化しており、上部には将来的に州営住宅が建設される予定である。
将来の路線延伸を見据えて非常に大規模なものとなっており(100,000㎡)、収容可能数は196両(2両編成98本分)。車両基地は2層式となっており、地上階で検査・整備を行う。
Pegangsaan Dua駅付近を行く、Pegangsaan Dua行きの列車。
Pegangsaan Dua駅。留置線が隣接している。
Pegangsaan Dua駅のホーム。当駅のみ1面2線の島式ホームである。また、コンコースはホームの上の階にある。
車両基地の留置線をホームから見る。前述の通り1・2階合わせて196両(2両編成98本分)収容できるが、1期開業時点では16両(2両編成8本)しかないため、ほとんど車両は見られない。8編成のうち、通常は3編成で運用を回している(全列車を重連(2両編成×2)にして、3本で回しても余裕が出るよう8編成が導入された)。
建設工事中の頃の様子(Pulomas〜Boulevard Selatan間)。

以下、2018年5月4日撮影
Boulevard Selatan駅付近の建設工事の様子。
Pegangsaan Dua駅・車両基地の建設工事(写真右奥)。
Boulevard Utara付近。第1編成搬入直後で、写真のように中線で整備されていた。車両はTanjung Priok港から陸送され、道路を封鎖したうえでクレーンを使って高架上まで車両を吊り上げた。
2019年に開通したLRT Jakarta。車両の製造は韓国の現代ROTEM及び宇進産電である。車両は韓国・金浦ゴールドラインの車両をベースとしているが、有人運転仕様となっている。ドア開閉時のブザーは韓国内向けの車両で聴けるものと同一である。

Full HD Video
2019年に開通したLRT Jakartaの全区間前面展望。終日2両編成で、ワンマン運転を行っている。保安装置はATS。全駅にホームドアが設置されている(TASCは非設置で、運転士の技量で定位置に停車している)。

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