KRL JABODETABEK HolecAC

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HolecAC(別称:Repowering)は運用離脱したHOLECに冷房化改造・床下機器更新などの改造を施した車両である。2013年に4M4T(Tc1-M1-M2-T1-T2-M3-M4-Tc2)の8両編成3本(24両)が導入された。全車両がPT.INKAにて改造。主要機器は韓国の宇進産電製に換装された。

冷房化改造やVVVF装置の交換(GTO素子からIGBT素子のものへ変更)の他、ドアの自動開閉機能復活、可動式乗降ステップ機能の復活、前面デザインの変更、運転台の交換、一部先頭車の中間車化改造(Tc→T化改造)、パンタグラフの交換、各種内装品の交換、ドア上へのLED式案内表示器の設置、SIV装置の換装等の改造が施された。

車両寸法は長さ20,000mm(連結面間20,700mm)×幅2,990mm×高さ3,820mm。

2014年3月29日よりTangerang線で営業運転を開始した。一時期はTangerang線の全運用がHolecACとなったが、その後は車両不具合等により数ヶ月後に早くも運用離脱が発生、営業開始から半年も経たずに2014年9月初旬までに全車両が営業運転を終了した。2016年2月現在、全車両がPT.INKAに再入場している。

編成 Tc1 M1 M2 T1 T2 M3 M4 Tc2
TS 1 K3 1 00 07 K3 1 97 12 K3 1 97 06 K3 1 97 13 K3 1 97 37 K3 1 00 08 K3 1 97 04 K3 1 97 09
TS 2 K3 1 97 11 K3 1 97 08 K3 1 97 10 K3 1 97 07 K3 1 96 16 K3 1 96 11 K3 1 01 01 K3 1 98 06
TS 3 K3 1 99 08 K3 1 98 05 K3 1 99 05 K3 1 96 03 K3 1 97 02 K3 1 97 14 K3 1 96 09 K3 1 01 03
※2014年8月現在

PT.INKAにて2012年〜2013年にかけて8両編成3本がHOLECから改造されたHolecAC。屋根上に冷房装置を搭載し、前面をKRDEに準じたものに交換する等の改造を施したうえでKRL JABODETABEKに返り咲いた。一旦引退した後に改造して再度復帰したことから、「Repowering」または「KRL RPW」の別称を持つ(但し、活躍したのは2014年3月〜9月のわずか半年弱であった)。

Tangerangにて
Duri付近の線路市場を走行するHolecAC第2編成(TS 2)。

※TS=Train Set
側面の塗装。HOLEC時代とは異なり軽量ステンレス製車体ながら全面塗装となり、従来車にはない派手な塗装となった。屋根上には冷房装置を3基搭載している。
Duriに到着する第2編成。
DuriにてKFW I-9000と並ぶ。ドア下の可動式乗降ステップが作動している。
Tangerang駅に到着した第2編成。2015年4月から一時期はTangerang線の全運用がHolecACで運行されたこともあったが、半年も経たずに全車両離脱してしまった。
Tangerang駅に留置中の第3編成。
都営6000形の先頭車化改造車「Lohan」との並び。意外と前面デザインが似ている?

Tangerangにて
HolecACの先頭部。HOLEC時代と同様に前面部は屋根上に突き出ている。乗務員扉と客用扉の間には運輸省(Kementerian Perhubungan)のマークが入っている。
前面窓に掲出されている編成表記(第2編成)。
更新時に換装した、宇進産電製のIGBT-VVVF制御装置(換装前はHOLEC製のGTO-VVVF制御装置)。
台車。特に大きな改造は施されていない。
シングルアームパンタグラフ。上枠もアームが1本のものに交換された。
4・5号車の連結面。ここはもともと運転台が設置されていた箇所であるが、撤去されて中間車に改造された。車端部の窓割等は他の中間車と同等になったが、この部分だけ外板にビードがないこと、屋根のビードが若干短いことが他の中間車との主な差異。
HolecACの車内の様子。従来FRP製だった座席がモケット張りのものに交換された。また、冷房車になったことから従来天井にあったファンデリアは撤去された。HOLEC時代の末期は退廃していた車内もすっかり新車の輝きを取り戻した。
戸袋部だけ前に突き出た座席配置はHOLEC時代と変わらない。
各ドアの鴨居部にはLED式案内表示器(1段表示のもの)が設置された。ドアも自動開閉機能が復活し、内側は赤色に塗装された。
LED式案内表示器の表示内容。インドネシア語・英語で次駅案内等を表示する。
車端部。
中間車化改造車の従来運転席があった箇所の車端部。他の中間車とほとんど同一仕様であり、運転席があった面影はない。
乗務員室仕切り。
乗務員室(運転席)の様子。
運転台。新品に交換され、中央には株式会社デジタル製(日本製)のモニターが設置された。
マスコン周り。右手操作式ワンハンドルマスコン。
マスコンは手前に引くと減速、奥に押すと力行(欧米式)である。力行7段、常用制動5段+非常制動1段。
ドア開閉・駐車ブレーキボタン等。
Tc1車。
K3 1 97 11(第2編成)
M1車。
K3 1 97 08(第2編成)
M2車。
K3 1 97 10(第2編成)
T1車。
K3 1 97 07(第2編成)
T2車。
K3 1 96 16(第2編成)
M3車。
K3 1 96 11(第2編成)

※M1車・M2車とM3車・M4車ではパンタグラフの位置・向きが反対である。
M4車。
K3 1 01 01(第2編成)
Tc2車。
K3 1 98 06(第2編成)
VVVF装置は宇進産電製(韓国)の新品に交換された。4両目と5両目は元先頭車(Tc)だったものを、運転台を撤去して中間付随車(T)に改造した。運転台撤去部は側板にビードがない。

Full HD Video
1駅間の車内の様子。リニューアルに際して、ドアの自動化、ドア上にLED式案内表示器の設置、座席の交換、ファンデリアの撤去等の工事が行われ、退廃していた車内が新車同様に蘇った。ドア上のLEDは、乗車した際は「Next Station」→「Stasiun berikutnya」(=次の駅)を繰り返し表示するのみでうまく動作していなかった。

Full HD Video

HolecAC走行音(Kali Deres→Tangerang)3駅間での収録。IGBT-VVVF制御で、制御装置は宇進産電製。
Tc1-M1-M2-T1-T2-M3-M4-Tc2(4M4T)の8両編成。
ドア開閉時にはブザーが鳴る。

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