北朝鮮で活躍する日本の中古バス

Tweet

北朝鮮では日本の路線バス・高速バス・観光バスの中古車両を少なからず見かける。これらは貨客船「万景峰号」(万景峰92)へ積載されたか、もしくはロシア等の第3国経由で輸出されたものである。日本時代の塗装そのままで活躍する車両も多い。

これら車両は大半が社用車として使用されているが、長距離バスや地方都市の路線バスとして使用されているケースもある。北朝鮮は右側通行のためドアの位置が逆となってしまうが、非公式側にドアを移設している車両は少ない(同じく右側通行のフィリピンやミャンマーに輸出された日本の中古バスの大半はドアが非公式側に移設または増設されている)。

バス車両出自情報ご提供:飛騨号様(注記箇所を除く)
写真:管理人撮影

平壌市順安区域を行く京浜急行バス。かつて大森営業所に所属していた車両(富士重工R15E(通称5E))で、同営業所所属車両の特徴である中扉両開き仕様(スーパーワイドドア)である。
前面のエンブレムがなくなり、塗装も京急時代と僅かに異なるが、現地で再塗装もされているようで、綺麗に整備されている。前面行先表示の脇には「運賃前払い」の文字もそのまま残されている。スーパーワイドドアは京急が降車時の時間短縮を目的として導入した特殊仕様であるが(新製車では京急以外には存在しない)、当車両は現存する同型車の中で世界で最も状態が良いと言っても過言でないだろう。なお、漁郎飛行場のランプバスでも同型車が使用されている模様である。
ナンバープレートは「平壌65・1075」。
南浦市を行く、東武バスの富士重工R17E(通称7E)。前面及び側面の「東武バス」の文字が消されてた以外はほぼ東武バス時代の仕様のままである。南浦市の路線バスとして使用されている。
ナンバープレートは「南浦39・1641」。
高麗ホテル前の交差点を行く阪神バス。塗装だけでなく、車両番号の「654」や、ドア付近の「入口」「出口」の表記も残っている。
阪神バス654号車の非公式側。
阪神バス164号車。ナンバープレートが数字のみで構成されている車両は社用車扱いと思われる。

平壌市兄弟山区域西浦洞にて
阪神バス164号車。

平壌市中区域にて
阪急バス。平壌国際飛行場から平壌市中心部へ向かう途中ですれ違った。
南海バス。

光復通りにて
尼崎市交通局。

平壌市東大院区域にて
神戸市交通局。

平壌市大城区域にて
平壌駅前に乗り入れた、元名鉄バス(もしくは名鉄系列のバス)。塗装は変更されているが、中扉が2枚折戸であることが識別ポイント。
川中島バス。車体は再塗装されているが、中扉の後ろにアルピコカラーが一部残存している。自社発注車で、車体は呉羽自動車工業(非冷房車)。
ジェイアール東海バス。

万景台にて
未来科学者通りを行く、西日本ジェイアールバス。ナンバープレートは330・03047。
黎明通りを行く同車両。
西日本ジェイアールバス(上写真とは別車両)。ナンバープレートは3066-1920。

万景台にて
リアにはJRマークも残っている。
西日本ジェイアールバス(左手前)とバスウェイ(右奥)。

万景台にて
バスウェイの9109号車。元 立川バス1192号車。
ジェイアール四国バス。社名表示灯(行灯)だけ何故か「阪急」となっている。
越後交通。

万景台にて
知多乗合(知多バス)。
プルグン通りにて軌道電車と並走する知多バス。
未来科学者通りを行く知多バス(上写真とは別車両)。
鯱バス(東急鯱バス)。当地では平壌と咸鏡北道の南陽を結ぶ長距離路線バスとして使用されているようで、前面窓には「平壌-南陽」と掲げられている。

3大革命展示館前にて
鯱バスは車両番号の代わりに「太閤記」ゆかりの人物名をつけていることが特徴であるが、その表記(写真の解像度が荒くて文字は解読困難)や鯱のエンブレム(車体色に塗り潰されている)、さらに車種を示す「SS A-330」の表記も残存している。
富士急行。

平壌地下鉄プルグンビョル駅付近にて
日立電鉄バス(貸切車)。

平壌地下鉄プルグンビョル駅付近にて
東京ベイシティ交通5103号車。通称「KaNaCカラー」と呼ばれる塗装。リアには東京ベイシティ交通のロゴや車両番号も残っている。

光復通りにて
帝産観光バス。車両側面の、走る犬のエンブレムは撤去されているが、車体塗装はそのままである。

高麗ホテル前にて
帝産観光バスの別の車両。窓下のみ違う色に再塗装されている。
主体思想塔付近を行く、東都観光バス(いすゞLV219)。
紋繍遊泳場の駐車場に停車中の東都観光バス。東都観光バス時代の車両番号「KC-39」表記も残っている。
日本交通(三菱ふそうP-MS725S)

情報提供:H2様(@H2twi)
沖縄バス(貸切車)。

黄金原駅前にて
栃木交通バス。

未来科学者通りにて
昭和自動車(貸切車)?前ドア横に「貸切」の文字が残っている。

3大革命展示館前にて
日立電鉄バス(左手前)と、昭和自動車?(右手前)。

戦友駅付近にて
土江産業(とうりゅう観光バス)。

南浦市にて

情報提供:FUSOきゃろる様(@fus0car0l)
日立市スクールバス。

倉田通りにて

情報提供:当サイト閲覧者様
横浜市交通局?

情報提供:ryot様(@ryot1204)
金日成広場を行く東備バス。日野ブルーリボン・スーパーミドルデッカー(P-RU608BB)。側面に書かれていた「Tobi Bus」の文字が消された以外はほぼ日本時代のまま。
こちらのサイトに同型車の日本時代の写真が掲載されている)
金日成広場を行くバス。出自不明。
金日成広場を連なって走る、東備バス(左手前)と出自不明(右奥)のバス。
出自不明(三菱ふそうP-MS725S)

玉流館前にて
出自不明(三菱ふそうP-MS725S)

紋繍遊泳場前にて
出自不明(三菱ふそうP-MS725S)。出自不明。前ドア横に「貸切」の文字が残っている。

3大革命展示館前にて
富士重工R15E(5E)。出自不明。

万景台遊戯場にて
自家用バス?出自不明。
前面に「臥牛島(ワウド)行き」と書かれた行先板が掲示されていることから、路線バスとして使用されている模様。塗装は現地で変更され、側面には「我が国が一番良い」と書かれている。

南浦市にて
自家用バス?出自不明。

玉流橋にて
自家用バス?出自不明。

プルグン通りにて
自家用バス。
「朝鮮国際旅行社」のバスとして使用されている。前輪のタイヤハウスの横に「自家用」の文字が残されている。

万寿台噴水公園にて
日本製のバスは大半が中古車だが、写真の「朝青愛国号」(朝青=在日朝鮮青年学生の略)は新車として1989年に日本から11台が輸出された車両である。ベースは富士重工R15B(通称5B)だが、製造時から左ハンドル仕様となっている(ドアの位置等が逆転)。
1989年7月に平壌で行われた「第13回世界青年学生祭典」に際して在日朝鮮青年学生が贈った車両である。
(詳細はこちらのサイトをご覧ください)

高麗ホテル前にて

情報提供:きんゆきみ様(@Deathler2)
在日朝鮮学校の修学旅行生を乗せて走る「朝青愛国号」。

平壌市牡丹峰区域にて
日本のトラックも活躍している。写真は西濃運輸の日野スーパードルフィン。西濃運輸のカンガルーのロゴが残り、「カンガルー便」の文字もうっすらと残っている。
主体思想塔とカンガルー便のコラボレーション。

「北朝鮮の鉄道トピックス」に戻る

Tweet