平壌市無軌道電車車両紹介 千里馬-316型

Tweet

千里馬-316型は2018年1月に製造された車両(単車)である。平壌無軌道電車工場製。

朝鮮のトロリーバスで初めて蓄電池を搭載し、停電や道路上の事故等の不測の事態が発生しても、蓄電池を使用して走行を持続させることが出来る二重電源システムが採用された。また、新型の電動機を採用し、千里馬-091型と比べて牽引力が1.2倍増強された。車両設備面では、平壌市無軌道電車(トロリーバス)の車両で初めてLED式の行先表示機が採用され、前面及びリアに設置されている。車内は扇風機と温風機を設置。座席は千里馬-091型ではFRP製であったが、千里馬-316型ではクッション性のある座席に変更された。なお、従来車と同様に車掌用座席が設置されている(平壌市無軌道電車(トロリーバス)ではすべて車掌乗務のツーマン運転を実施)。床面高さは従来車より低くして乗降を容易にしている(ステップの数は2段だが、1段あたりの段差が小さくなっている)。

乗車定員は80名(座席数は24)、最大乗車可能人数は120名。千里馬-091型では車両ごとに塗装が異なったが、千里馬-316型ではすべて同一の塗装となっている。

2018年1月に金正恩朝鮮労働党委員長が平壌無軌道電車工場にて千里馬-316型の製造現場を現地指導した(2018年2月1日付の朝鮮労働党中央委員会の機関紙「労働新聞」にて報道)。また、2018年2月4日の労働新聞では、金正恩朝鮮労働党委員長が李雪主夫人と試乗したことも報道された。

千里馬-316型の外観。千里馬-091型で培った技術をベースに、二重電源システムや新型電動機、LED式行先表示機等の新機軸が採用されている。ドアはグライドスライドドアを採用し、一番前のドアが片開き、その他が両開きである。
公式側の側面。3扉車で、最前部のみ片開き、その他は両開きである。ステップは2段あるが、側窓の天地寸法はノンステップ車両並に大きい。
非公式側。
リアの様子。
凱旋門をバックに走る千里馬-316型。
西城通りを行く千里馬-316型。










金日成広場を縦断する千里馬-316型。
未来科学者通りを行く。

労働新聞における報道
左:2018年2月1日付 「敬愛する最高領導者 金正恩同志が新たに改建された平壌無軌道電車工場を現地指導なさった」(1面に掲載)
左:2018年2月4日付 「敬愛する最高領導者 金正恩同志を迎えて 新型の無軌道電車試運転が進められた」(1面に掲載)

「平壌市無軌道電車(トロリーバス)−車両紹介」に戻る

Tweet