平壌市無軌道電車車両紹介 千里馬-091型

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千里馬-091型は2009年に開発された車両(連接車)である。型式番号「091」の09は開発年(2009年)に由来する。平壌無軌道電車工場製。

従来の車両からフルモデルチェンジされ、外観・内装は一新された。車両前面は大きな1枚のフロントガラスが採用され、側面の窓も従来車より拡大して近代的な外観となった。車体塗装も従来よりも明るい色使いとなった。カラーバリエーションも従来車では3〜4種類程度であったが、千里馬-091型は2013年11月時点で17種類ものカラーバリエーションがある。

技術的な特徴としては、モーターにSRM(スイッチトリラクタンスモーター;Switched Reluctance Motor)が使用されている。従来車(1999年より製造された千里馬青年号)よりも約40%の省エネを実現している。ドアの数は千里馬青年号など近年の連接車が4扉であるのに対し、千里馬-091型では3扉として床面積を増やし、定員を増加させた。定員は千里馬青年号の1.4倍で、最大170名を乗せることができる。床面高さも従来車より低くして乗降を容易にしている(ステップの数は従来車と同様に2段だが、1段あたりの段差が小さくなっている)。

2009年に試験研究車(プロトタイプ)が製造され、各種試験・試運転を経て2011年より量産車が製造されている。2014年7月時点で既に平壌市無軌道電車の車両の中で最大勢力となっている。

車体寸法は長さ16,995mm×幅2,500mm×高さ3,000mm。最高速度は45km/h。

千里馬-091型(量産車)。前作の千里馬青年号よりフルモデルチェンジされ、近代的なデザインとなった。

3大革命展示館にて
側面には扉が3箇所設置されている(1両目に2箇所、2両目に1箇所)。ドアはグライドスライドドアを採用し、一番前のドアが片開き、その他が両開きである。
非公式側リア。
公式側リア。
連接部。
前面の「千里馬」エンブレム。ハングル(チョソングル)の「千里馬」の文字をデザインしている。このエンブレムが使用されている平壌市無軌道電車の車両は千里馬-091型のみ。
車内の様子。クロスシートが1+1人掛け(タイヤハウスの上等は2+2人掛け)で展開している。
座席はFRP製。
天井には扇風機が設置された。平壌市無軌道電車の車両では初の装備。
運転席。
3大革命展示館の展示車両に掲示されている解説。内容は以下の通り。


<<千里馬-091>>型 無軌道電車

全長:16,995mm   乗客数:定員 120名
幅:2,500mm           最大 170名
高さ:3,000mm          座席数:39
空車質量:14.7t   最大速度:45km/h

     牽引電動機 指標
      電動機型:SRM
      定格回転数:1,800rpm
      定格出力 :130kw

首都旅客運輸指導局 平壌無軌道電車工場      
千里馬-091型は2013年11月時点で17種類ものカラーバリエーションがある。基本は白地に青系統または赤系統のストライプや模様が入っている。
写真は試作研究車(プロトタイプ)とほぼ同様の塗装の量産車。試作研究車の資料写真を見る限り、量産車とは窓配置やタイヤハウスの形状、トロリーポールの台座の形状、連接部のウインカーの位置等がわずかに異なっているが確認できる。
金日成広場を行く、青系統塗装の別塗装の車両。
その他の青系統塗装のバリエーション(一部)。
赤系統塗装のバリエーション(一部)。
千里馬-091型の営業車両の車内の様子。
側窓の下には5万km無事故運転達成ごとに、星印が1つ刻まれる(☆の中央に「5万」と書かれている)。まだ走行距離が少ないため、星の数は少ない。
平壌駅の南での折り返し待ちの間に車体を清掃する。
色とりどりの千里馬-091型が1百(第1百貨店)停留所に停車ののち、金日成広場付近を行き交う。

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