重慶軌道交通QKZ11型 車両紹介

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重慶軌道交通QKZ11型は3号線向けに導入された車両である。Mc1-M2-M4-M5-M3-Mc2から成る、6M0Tの6両固定編成で、2010年〜2013年に58編成(348両)が製造された。全車両が重慶長客城市軌道交通車両製である。

2号線のQKZ2型をベースにしながらも、外観・内装は大幅に仕様変更されている。車体はアルミ製で、外観は藍色と白をベースにし、前面はブラックフェイスとしている(配色や前照灯の形状がが東京メトロ15000系に類似している)。内装では、防犯カメラの設置(1両当たり2台)、冷房能力の強化及び冷房装置の国産化、座席の材質の変更(FRP→ステンレス)、つり革の設置位置の変更(QKZ2型よりも5cm車両中央寄り)等がQKZ2型からの主な変更点である。車両寸法は長さ14,800mm(中間車は13,900mm)×幅2,980mm×高さ5,300mm(うち桁上面3,840mm、桁下面1,460mm)。加速度は3.0km/h/s(減速度は4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常))、最高速度は75km/h(設計最高速度は80km/h)。なお、将来的に8両編成にすることも可能な設計としている。

車両番号は6桁で、製造時から重慶の新付番方法に則って付番されている。十万と一万の位が03(路線番号)、千・百・十の位が編成番号、一の位が号車番号である(第1編成の場合は030011-030012-030013-030014-030015-030016)。

58編成のうち、40編成が童家院子車両段に、18編成が道角車両段に配置されている(第1編成〜第40編成が童家院子車両段所属、第41編成〜第58編成が道角車両段所属)。第41編成以降は内装等の仕様がマイナーチェンジされている。

なお、第54編成の一部車両(030545-030546の2両)はインドネシア・ジャカルタで2013年6月22日〜7月14日に行われた「Jakarta Monorail Exhibition」にて展示された。

関連ページ:重慶軌道交通3号線重慶軌道交通3号線車両、ジャカルタで展示

QKZ11型外観。2号線のQKZ2型から大幅にモデルチェンジされた。

唐家院子にて
前面の前照灯形状や配色が、どことなく東京メトロ15000系に類似している。

長福路
夜の双龍駅に停車中のQKZ11型。前照灯はシールドビームである。
行先表示機はLED式で、赤色一色で表示。英語表示はない。
日本の跨座式モノレールの車両と同様に、各客用扉の上にはスローダン(避難器具)を引っ掛ける金具が設置されている。
妻部の形式・定員・自重表記。表記の仕方が日本式である。
型号(形式)は、重慶市軌道交通有限公司の呼称である「1000」が表記されている。
車内の様子。QKZ2型よりも手すりが曲線を描いている。座席の材質がステンレス製に変更された。ドアや妻部の配色がラインカラーの青となっており、よいアクセントとなっている。
ドア周り。鴨居部に次駅等案内用LCDが、両戸袋部に広告用LCDが設置されている。ドアガラスは車内側からの接着式。ドアエンジンは電気スクリュー軸駆動式である。
鴨居部のLCDの表示内容。
貫通路はQKZ2型と同様の形状(キノコ型)となっている。
各車両の天井には、防犯カメラが2つずつ設置されている。韓国・サムスン製。
QKZ2型と同様に、各車両の窓にはロール式カーテンが設置されている。
現在、中国の都市鉄道用車両でカーテンが設置されている車両は、重慶軌道交通のモノレール車両のみである。

つり革の形状は中国標準のものではなく、日立製作所製のQKZ2型量産先行車に類似した、握り部が円形のものを採用している(この後に開業した、重慶軌道交通の地下鉄車両も同様である)。
車椅子スペース。車いす固定用のベルトが設置されている。
車内の車両番号表記(写真の車両番号「030026」は03号線第002編成6号車を示す)。
乗務員室仕切部。前面展望が可能である。
乗務員室内部の様子。
右手操作式ワンハンドルマスコン。力行は4段(P1〜P4)で、制動(ブレーキ)は常用制動7段(B1〜B7)と非常制動1段。手前に引くと力行、奥に押すと制動(日本式)である。
1駅間の車内の様子。鴨居部のLCDでは次駅案内や駅の出口の情報、扉の開く方向など様々な情報が表示される。終電で撮影。

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3駅間の後方展望(但し、途中駅の工貿、銅元局は撮影時すべて未開業の為通過)。銅元局→両路口では菜園長江大橋で長江(揚子江)を越える。

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1駅間の後方展望。郊外の住宅街の間を縫うように走る。

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獅子坪〜重慶北站 間を走行する双方向の列車。奥が獅子坪駅。

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地下トンネルへのアプローチ部を走行する上下線の列車。中央の橋脚は3号線支線の軌道。

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牛角沱駅を発車し、渝澳大橋を渡り、華新街駅に到着する3号線の列車。華新街駅にて撮影。

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分岐器を曲線方向に通過し、低速で碧津駅に入線する江北機場行きの列車。

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幹線道路に沿って走行し、地下へと吸い込まれてゆく3号線の列車。

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駅の手前で大きくカーブし、金渝駅に入線する列車。

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QKZ11型 走行音(鴛鴦→童家院子)IGBT-VVVF制御で、制御装置は日立製作所製。
Mc-M-M-M-M-Mc(6M0T)の6両編成。
ドア開閉前にドアチャイムが鳴る。自動放送は中国語と英語の2か国語放送。
QKZ11型 走行音(江北機場→碧津)
QKZ11型 走行音(碧津→江北機場)
QKZ11型 運転士用停車駅接近警告放送(1)警告放送の前に鳴る音はBGMとベルの2種類が併用されており、どちらが鳴るかは駅によって異なる。
QKZ11型 運転士用停車駅接近警告放送(2)

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