北京地下鉄2号線

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北京地下鉄2号線は西直門(シージーメン)を起点にかつての城壁の跡に沿って建設された、一周18駅23.1kmの環状線である。営業線は全区間が地下。全区間複線(右側通行)で、第三軌条方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。車両基地は西直門〜積水潭の間に位置する太平湖車両段。1969年10月1日に長椿街〜北京站 間(長椿街から東側は当初は地下鉄1号線に直通)が開通し(開業当時は公務員以外乗車不可)、1984年9月20日に残りの区間が開通した。環状運転は1987年12月28日より開始。

列車は6両編成で運転される。使用車両はDKZ16型で、製造は長春軌道客車および北京地鉄車両廠(現:北京地鉄車両装備有限公司)。2007〜2008年に46編成(276両)が製造され、在来車両を一斉に置き換えた。DKZ16型の導入以前は非冷房車のDK16型28編成、BD1型4編成、BD11型2編成の計34編成(204両)で運行されていた。置き換えは2007年11月10日から開始され、約9ヶ月後の、北京オリンピック開催日前日である2008年8月7日に完了した(DKZ16型自体の増備は、列車増発用途として2008年12月まで行われた)。在来車両は大半が解体されたが、DK16型の一部は四川大地震の被災地の臨時の学生寮として使用するために四川省広元市へ搬送された。また、BD11型は太平湖車両段に留置されている。

(路線図:管理人制作)

在来車両置き換えを目的に製造されたDKZ16型。長春軌道客車および北京地鉄車両廠製で、2007〜2008年に46編成が製造された。2号線初の冷房車・VVVF制御車である。北京オリンピック開催を前に在来車両をすべて置き換えた。
車両寸法は長さ19,000mm×幅2,800mm×高さ3,800mm。加速度は3.0km/h/s、最高速度は80km/h。車体はビードレスステンレス製。全編成が太平湖車両段所属で、編成番号はT401〜T446。編成番号・車両番号の頭には太平湖車両段所属であることを示す「T」(太平湖=Taipinghu)がつく。

太平湖車両段にて
DKZ16型の前照灯はHID。特徴的な前面非常扉のデザインから、現地の一部のファンからは「創可貼」(=絆創膏)とも呼ばれているようである。

北京站にて
側面行先表示機。中国語・英語の2段表示を行い、次の停車駅を表示する。
SFM04型の車内の様子。座席は不燃性モケット。天井には防犯カメラを各車両2台設置。各扉の上にはマップ式案内装置、車端部(貫通路上)にはLED式案内装置がそれぞれ設置されている。
かつての2号線の主力車両であったDK16型。1986〜1989年に長春軌道客車で116両が製造された。また、1982年に登場したDK8型(52両)も、後にDK16型へ改造・編入された。
3扉車で、Mc+Mcの2両編成を3編成連結した6両編成で運転される(Mc-Mc+Mc-Mc+Mc-Mc)。なお、登場時は2両編成2本を繋げた4両編成であったが、1995年に6両編成化された。
車両寸法は長さ19,000mm×幅2,650mm×高さ3,509mm。加速度は3.0km/h/s。車体は鋼製(T1286号車のみアルミ製)。写真は旧塗装で、引退末期には後述のDK16G型と同一の塗装に変更された。
DKZ16型の導入により、2008年までに全車両が引退した。なお、60両が引退後、四川省広元市へ搬送され、四川大地震の被災地で臨時の学生寮として使用された。

建国門にて
DK16型(未更新車)の車内。非冷房車のため、天井には多くのファンデリアが並ぶ。座席はビニールレザー張り。各扉の鴨居には、マップ式案内装置が設置されており、次駅が点灯する仕組みとなっていた。
DK16型の車体更新車。「DK16G型」と呼ばれる。防火性能を向上させ、外観および車内も大幅にリニューアルした。2005〜2006年に6編成が改造された。外観上の変化は、側窓が内折れ式のものに交換された点が目立つ。改造と同時に新塗装化され、この塗装は後にDK16型の未更新車にも波及した。

前門にて
DK16G型の車内。内装はすべて不燃のものに更新された。化粧板は白とし、各扉の上にはLED式案内装置が新設された。座席もFRP製のものに交換。乗務員室仕切り壁の背後には、車椅子スペースも新設された。
しかしながら更新工事完了から数年も経たずして、2008年にはDKZ16型の導入により全車両が引退した。
DK16型のGTOチョッパ改造車。「300型」とも呼ばれ、1996年に6連3本が改造された。他のDK16型と共に2008年に全車引退した。
自動改札化前の2号線の改札口。右側の通路を通り、有人改札の窓口の係員に紙の乗車券の端をちぎってもらっていた。左側の通路は出口。
2008年6月9日に1号線・八通線とともに一斉に自動化・乗車券のICカード化が行われ、この光景は過去のものとなった。
夕ラッシュ時の西直門駅のホーム。ラッシュ時は列車は最短で2分おきに運行される。黄色い服・帽子を着用した人はホーム整理員で、ラッシュ時に配備される。
東四十条駅のホームの中央には、さらに下へと続く封鎖された階段がある。この階段の先には将来の3号線用のホームがあり、2号線と同時に建設された(ホームは十字型に交差している)。ホームは既にほぼ完成した状態であったが、3号線の計画自体が途中で中止となってしまい、長らく使用されていなかった。
しかし、2015年に3号線の計画が復活し、2016年より建設工事が再開された。2020年頃開通予定で、その際にはこのホームが有効活用されるものと思われる。
なお、3号線は当初B型車6両編成、第三軌条集電方式の規格で計画され、このホームもその規格で建設されたが、現在3号線はA型車8両編成、架線集電方式の規格に変更されたため、ホームも一部改修される予定。
太平湖車両段内で入替運転を行うDKZ16型。左側に見えるホームは、出入庫線上にある車両段内の職員専用ホーム。なお、出入庫線はデルタ線となっており、西直門方面および積水潭方面へつながっている。
太平湖車両段にて検査を受けるDK16型T108編成。(現存せず)
太平湖車両段に留置されているDK2型。北京地下鉄最初の営業用車両で、1969年に75両、1970年に5両の計80両が製造された。現在は全車運用離脱している。車両寸法は長さ19,000mm×幅2,650mm×高さ3,509mm。開業当初の塗装で残っており、緊急時の訓練用の車両として使用されているものと思われる。
DKZ16型への置き換えが完了後も、太平湖車両段の片隅に残存しているBD11型。1号線のDKZ4型に準じた車体で2000年に6両編成2本のみが製造されたが、現役時でも滅多に走ることはなかった。GTOチョッパ制御車で、6M0Tの6両固定編成。車両寸法は長さ19,000mm×幅2,800mm×高さ3,510mm。
先述の通り2号線は既にDKZ16型で統一されており、今後営業運転で走ることはないと思われる。編成も3両ごとに分割されている。

2号線DKZ16型電車走行音(鼓楼大街→安定門) IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。
Tc-M-T-M1-M-Tc(3M3T)の6両編成。
ドアエンジンは電気式。
2号線DKZ16型電車走行音(安定門→雍和宮)
2号線DKZ16型電車走行音(建国門→朝陽門)
2号線DKZ16型電車走行動画(北京站にて) 車掌の先頭車からのドア扱いの後、北京站を発車するDKZ4型。
発車ベルは2007年に導入された。
2号線DKZ16型電車走行動画(西直門にて) 世界最短クラスの2分間隔で運行される、ラッシュ時の2号線を定点撮影。前の列車が発車した直後に、通常の速度で次の列車が駅に進入している。
2号線DKZ16型電車前面展望動画(崇文門→前門) 前面窓の上のモニターには、車内の防犯カメラからの映像が映し出されている。前照灯は、駅進入時は必ず一旦消灯する。
2号線DKZ16型電車走行動画 トンネルの壁面に設置されたLCDによる、大型トンネル内CMの映像。複数個所に設置されている。

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