Tren de la Costa

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Tren de la Costa(トレン・デ・ラ・コスタ)はAvenida Maipú(アベニーダ・マイプ)〜Delta(デルタ)間11駅15.5kmを結ぶ路線である。全区間地上、全区間複線(左側通行)で、架線集電方式による直流1,500V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。車両基地はCanal San Fernando駅付近にある。運営は国営の「Ferrocarriles Argentinos Operadora Ferroviaria」。

イギリス資本の鉄道会社であるFerrocarril Buenos Aires a Rosario(英語:Buenos Aires and Rosario Railway)のBelgrano R - Tigre R支線の一部として建設され、1891年11月にBartolomé Mitre〜San Isidro間、1892年8月にSan Isidro〜San Fernando間、1893年2月にSan Fernando〜Canal San Fernando間、1896年7月にCanal San Fernando〜Tigre Rが開通した。1908年に同社がFerrocarril Central Argentino(英語:Central Argentine Railway)に吸収されたのち、1931年に全区間が電化された。1948年には路線が国有化。しかし、路線の大半がMitre(ミトレ)線のRetiro - Tigre支線と並行しており、両線とも国有化されたにも関わらず競合路線となっていた(建設時は別会社だった)ため、1961年に廃止された。廃止後、軌道は退廃し、多くの敷地が不法占拠されてしまった。

1990年代初頭に、観光鉄道として再整備されることが決まった。廃止から30年以上経っていたため線路や電化設備はすべて再敷設することになり、改軌(1,676mm→1,435mm)、電化方式(第三軌条集電方式→架線集電方式)及び電圧変更(直流830V→直流1,500V)等の規格変更が行われた。また、Mitre線のBartolome Mitre駅と道路を挟んでAvenida Maipú駅が新設され、路線の起点駅として整備された。一方、各駅の駅舎の大半は1961年の廃止前のものを改装の上、再利用している。1994年末より試運転が行われ、1995年4月25日に全区間が開業(復活)した。

車両は1995年の路線復活に合わせて路面電車規格のものが導入された(なお、全区間専用軌道である)。車両はCAF製で、同社の「FGV3700」と呼ばれるタイプである。Mc-Mcの2連接車体で、GTO-VVVF制御(制御装置は三菱電機製)。9編成が製造された。編成長さは29,800mm、最高速度は80km/h。繁忙期には2編成を連結して4両編成で運行する。

(路線図:管理人制作)

緑豊かな沿線を行くTren de la Costa。一旦廃線となった区間を再整備して復活した。

Marina Nueva〜Punta Chicaにて
Tren de la Costaの車両。スペインのCAF製で、床下のVVVFインバーター制御装置は三菱電機製。全区間が専用軌道だが、路面電車規格の車両である。9編成が製造された。なお、車両落成時は緑色をベースに、前照灯周りに黄帯、車体側面裾部に赤帯が入った塗装であった。

Marina Nueva〜Punta Chicaにて
2扉車で、ドアはスイングプラグ式である。半自動ドアのためドアボタンを備える。
前照灯下にある、製造メーカーのCAFのエンブレム。
車内の様子。オールクロスシート(ボックスシート)である。貫通路の形状を工夫しているため、車両端から2両分の車内を見渡すことが出来、まるで長い1両の車内のようにも見える。
貫通路。
車内のTren de la Costaの銘板(旧ロゴ)と、CAFの製造銘板。
車内に掲げられている路線図。
ドア横に設置されている、「SUBE」のカード読み取り装置。
Mitre線のBartolomé Mitre駅と、Tren de la CostaのAvenida Maipú駅間の連絡通路。両駅は道路(駅名の由来となっているAvenida Maipú(マイプ道路))を挟んで対峙している。
Avenida Maipúの上に架かる連絡通路の内部。
連絡通路と直結している、Avenida Maipú駅の入口。
Avenida Maipú駅のホーム。1面2線の島式ホーム。
Avenida Maipú駅の駅名標。Tren de la Costaの各駅の駅名標は、観光鉄道であることを意識してか英語も併記されている。
Avenida Maipú駅に停車中の、Delta行き列車。
Tren de la Costaとは日本語で「海岸沿い鉄道」の意味で、世界一川幅が広いLa Plata(ラプラタ)川(河口部のため対岸まで50km以上あり、実質海)の近くを走る。Anchorena〜Barrancas間を走行中に短い時間であるが、La Plata川を車窓から見ることが出来る。
Marina Nueva駅。当路線の大半の駅ではMitre線時代の歴史ある駅舎を活用しており、一部の駅舎はカフェやレストラン等に改装されている。
Marina Nueva駅の駅名標。
Marina Nueva駅を走り去ってゆくDelta行き。
Marina Nueva駅付近を行く列車。

Punta Chica〜Marina Nuevaにて
Canal San Fernando駅の東側に隣接する車両基地。
終点のDelta駅に到着した列車。乗降ホームが分離されている。
Delta駅の過走防止装置(スプリングで車輪のフランジを押さえつける仕組み)。
Delta駅の外観。
なお、当駅からMitre線(Retiro - Tigre支線)のTigre駅まで約900m程の距離であり、徒歩連絡が可能。
Delta駅に隣接する遊園地、「Parque de la Costa」(パルケ・デ・ラ・コスタ)。
Delta駅のあるリゾート地Tigre(ティグレ)の街並み。川を船が行き交う。
全区間が専用軌道だが、路面電車規格の車両で運行されている。Mitre線のうち1961年に部分廃止になっていた区間を、改軌・集電方式変更の上、1995年に復活させたものである。

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2駅間の車窓。GTO-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。日本でも聴き慣れた、同社製GTO-VVVF後期タイプの標準的な磁励音がする。
ラプラタ川沿いに走るが、車窓からは川が見える区間はごく一部である。

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普通乗車券(表)
感熱紙である。

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