ブエノスアイレス地下鉄 P線(Premetro/E2線)
Subte de Buenos Aires - Linea P / Buenos Aires Metro Line P


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P線はIntendente Saguier(インテンデンテ・サギエル)〜Pola(ポラ)〜General Savio(ヘネラル・サビオ)及びPola〜Centro Cívico Lugano(セントロ・シビコ・ルガーノ)間の計17駅7.4kmを結ぶPremetro(路面電車)の路線である。全区間地上。Pola〜Centro Cívico Lugano間が単線、その他は複線(右側通行)で、架線集電方式による直流750V電化。軌間は1,435mm(標準軌)。併用軌道区間はIntendente Saguier〜Presidente Illia間で、その他は専用軌道。車両基地はSomellera駅の西側にあるTaller Premetro(Premetro工場)。

Premetro(プレメトロ)とも呼ばれており、現在アルゼンチンで営業運転を行っている路面電車はこの路線が唯一である(Polvorín工場の周回線を除く)。正式名称はE2線で、これは当初このE2線以外にもPremetroの路線計画が複数あった(E1線・D1線・C1線・H1線等)ためである。しかし、他の路線計画は現在凍結されており、Metrobus(BRT)に計画変更されたものも多い。駅などの案内ではE2線の名称は用いられず、大半が「Premetro」もしくはPremetroの頭文字の「P線」で案内されている(車両前面の行先表示には「P」と共に「E2」も併記されている)。Intendente Saguierにて地下鉄E線と接続し、運賃はP線のみ利用の場合が2ペソ、地下鉄と乗り継ぐ場合が5ペソ(地下鉄単独利用の場合も5ペソ均一)である。運営事業者は地下鉄と同じくMetrovías。

1987年8月27日に全区間が開業した。

列車は終日1両(単行)で運転される。General Savio行きとCentro Cívico Lugano行きの列車は、原則交互に運行される。

Materfer及びFabricaciones Militares製の車両(現地での呼称は「Materfer」)が1988年〜1991年に17両製造され(車両番号はPM1〜PM21で、うちPM15・16・18・19は欠番)、うち11両が運行されている。残りの6両(PM3・4・6・8・20・21)はほとんど営業運転で使用されたことはなく、長期離脱中。電機子チョッパ制御で、制御装置はじめ主要電装品はSiemens製。車体は片側3ドアで2段ステップ付き。自動車との衝突対策として、前面にパトランプ・監視カメラを設置し、警笛の音色も派手なものにしている。
開業時には車両の製造が間に合わず、A線の半鋼製車「La Brugeoise」の足回りを流用した車両が急遽8両製造された。黄緑色の外観から、関係者や愛好者の間では「Lagarto」(=トカゲ)の愛称で親しまれた。開業時から1989年までの2年間のみの活躍であったが、現在1両(2号車)をAsociacion Amigos del Tranviaが保有しており、Polvorín工場の周回線で動態保存を行っている。

(路線図:管理人制作)

Premetroの車両。写真は旧塗装車(2代目塗装車)で、ブエノスアイレス地下鉄の「Fiat-Materfer」の旧塗装にも類似している。走行音は非常に静か。

Fernández de la Cruzにて
新塗装車(3代目塗装車)。Metrovías標準色となり、より目立つ配色となった。

Fernández de la Cruzにて
離合する新旧塗装の車両。

Fernández de la Cruzにて
車内の様子。オールクロスシートで、座席はFRP製。非冷房車で、天井にはファンデリアが設置されている。
車内の路線図。交差する主要道路の名称が路線図上部に記載されている。
車内に設置されている券売機。運賃はP線のみ利用の場合が2ペソ、地下鉄と乗り継ぐ場合が5ペソ。ICカード「SUBE」利用者は、ドア横に設置されているカードリーダーにタッチする。信用乗車方式のため、通常検札はなく、すべてのドアから乗降できる。また、降車ボタンはなく、すべての駅(電停)に停車する。
Fabricaciones Militaresの製造銘板(1989年製)と車両番号プレート(PM7)。
乗務員室仕切り。窓が設置されており、前面展望が可能。
運転台の様子。
P線は終端部付近で路線が二方向に分かれており、General Savio行きとCentro Cívico Lugano行きの列車は、原則交互に運行される。行先は前面窓に掲げられている(行先表示器は使用していない)。
Premetro用の信号機。縦棒表示が進行、横棒表示が停止である。
駅名標(写真はFernández de la Cruz駅)。
始発駅のIntendente Saguier駅。E線との接続駅で、ホームは高速道路の高架下にある。
Intendente Saguier駅のE線とP線の中間改札。E線からP線へは追加料金なしで乗り換え出来る(改札通過時に乗車券やSUBEは不要)。一方、P線からE線に乗り継ぐ際は差額の3ペソが追加徴収される。
これは、運賃がP線のみ利用の場合が2ペソ、P線と地下鉄と乗り継ぐ場合が5ペソで、地下鉄単独利用の場合も5ペソ均一のためである。
Intendente Saguier駅を発車して併用軌道区間に入るGeneral Savio行き。Intendente Saguier〜Presidente Illia間は併用軌道である。
併用軌道区間を行くIntendente Saguier行き。

Balbastro〜Intendente Saguierにて
Somellera駅の西側にあるP線唯一の車両基地、「Taller Premetro」。
Fernández de la Cruz駅に到着するIntendente Saguier行き。
Fernández de la Cruz駅からPresidente Illia方面を見たところ。Fernández de la Cruz〜Presidente Illia間は上下線が離れており、上下線で別の道を走行する。
Fernández de la Cruz駅から見た、踏切を通過するBelgrano Sur線の客車列車。
Belgrano Sur線と平行している、Intendente Saguier方面の線路。この区間は上下線が離れており、反対方面の線路は1つ隣の道路に敷かれている。
Presidente Illia駅。ホームの位置は上下線で異なる。Belgrano Sur線との乗換駅であるが、2017年8月現在はBelgrano Sur線側の駅が休止しており、隣駅(Villa Soldati駅)まで歩いて乗り換える必要がある。
Presidente Illia駅の西側の、併用軌道と専用軌道の接続部。当駅よりIntendente Saguier方面は併用軌道、General Savio・Centro Cívico Lugano方面は専用軌道である。
Pola駅の西側の、General Savio方面とCentro Cívico Lugano方面の分岐地点。ポイント操作は、Pola駅停車中に運転士が線路側に据え付けられたボタンを押して行う。
終点のCentro Cívico Lugano駅に到着。駅は郊外のベッドタウンのマンションが立ち並ぶ中にある。
Centro Cívico Lugano駅の様子。Pola〜Centro Cívico Lugano間の支線は単線で、途中に列車交換設備もない。
Centro Cívico Lugano駅の駅名標。
Centro Cívico Lugano駅を発車する、折り返しIntendente Saguier行きの列車。
もう1つの終点のGeneral Savio駅に入線する列車。当駅とCentro Cívico Lugano駅は800m程で、徒歩で移動可能である。
General Savio駅の先の線路終端部。
General Savio駅は相対式の2面2線(乗降ホーム分離)で、すべての列車は一旦線路終端部付近まで進んでから、折り返す。

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