ブエノスアイレス地下鉄 元 名古屋市交通局300形

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名古屋市交通局300形は名古屋市営地下鉄東山線向けの先頭車両で、1967年〜1975年に38両(19編成分)が製造された。製造会社は日本車両・日立製作所。車両寸法は長さ15,580mm×幅2,508mm×高さ3,370mm。車体は鋼製。抵抗制御。中間に同時に製造した中間車の800形を組んで6両編成(デビュー当初は4両編成。その後5両編成、6両編成と増結)とし、19編成が活躍した。

後継の5050形の導入に伴い、2000年までに全車両が引退した。このうち、311H・315H・317H・319H・333H・335H・337Hの7編成42両がブエノスアイレス地下鉄に譲渡された。

ブエノスアイレスへの導入にあたって、輸出前に大阪車輌工業にて大規模な改造工事を行った。改造箇所はパンタグラフの設置及び台車の集電靴の撤去(名古屋時代は直流600Vの第三軌条集電方式だが、ブエノスアイレスは直流1,500Vの架線集電方式)、制御方式の抵抗制御からIGBT-VVVF制御への更新(新設されたVVVF制御装置は東洋電機製)、MT比の変更(6M0T→4M2T)、3・4両目への簡易運転台の設置及び貫通路への開き戸の設置(非常時を除いて、3・4号車の間は行き来が出来なくなった)等である。改造の様子が大阪車輌工業の公式サイトに掲載されており、塗装変更も同社にて行ったようだ。現地では名古屋市交通局からの各中古車両をまとめて「Nagoya」(スペイン語で「ナゴシャ」)と呼んでいる。

関連ページ:「ブエノスアイレス地下鉄 C線」

元 名古屋市営地下鉄東山線の300形。名古屋勢は現在C線に集結している。各編成とも名古屋市交通局時代からの編成組み替えは行われていない。

Morenoにて
VVVFインバータ制御装置。IGBT素子を使用しており、装置は東洋電機製。蓋に「VVVF INVERTER」の文字と東洋電機の銘板が入っている。
車内の様子。網棚なし、壁際に設置されている蛍光灯、淡いベージュ色の内装等、名古屋市営地下鉄時代の面影が色濃く残っている。座席のモケットも変わりない。C線は急曲線が多く揺れが大きいため、ドア付近に手すりが増設された。
3・4号車は車端部に簡易運転台を設置。貫通路は通常閉鎖のため開き戸を設置
乗務員仕切り。
2016年よりCBTC対応工事が施された。Retiro寄り3両目の中間車の車端部(4両目寄り)の窓は閉塞され、その部分にCBTC車上装置が設置された。
車内のCBTC車上装置搭載部の様子。片側の3人掛けの座席は撤去された。

■編成別写真
A編成。
名古屋市交通局時代は「311H」。
311-853-852-859-854-312

San Juanにて
B編成。
名古屋市交通局時代は「319H」。
319-862-857-855-858-320

Polvorin工場にて
D編成。
名古屋市交通局時代は「317H」。
317-849-850-851-864-318

Diagonal Norteにて
E編成。
名古屋市交通局時代は「315H」。
315-856-860-861-863-316

Diagonal Norteにて
J編成。
名古屋市交通局時代は「333H」。
333-865-866-867-868-334

Polvorin工場にて
K編成。
名古屋市交通局時代は「335H」。
335-869-870-871-872-336

Diagonal Norteにて
L編成。
名古屋市交通局時代は「337H」。
337-873-874-875-876-338

Diagonal Norteにて

関連ページ:「ブエノスアイレス地下鉄 C線」

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