ブエノスアイレス地下鉄 元 名古屋市交通局250形

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名古屋市交通局250形は名古屋市営地下鉄東山線向けに1965年〜1973年に64両が製造された700形(100形・200形連結用の中間電動車)のうち18両を先頭車化改造したものである。車両寸法は長さ15,580mm×幅2,508mm×高さ3,370mm。車体は鋼製。抵抗制御。中間に700形を組み、晩年は6両固定編成(6M0T)で運行された。

後継の5050形の導入に伴い、1999年までに全車両が引退した。このうち、263H・267Hの2編成12両がブエノスアイレス地下鉄に譲渡された。

ブエノスアイレスへの導入にあたって、輸出前に大阪車輌工業にて大規模な改造工事を行った。改造箇所はパンタグラフの設置及び台車の集電靴の撤去(名古屋時代は直流600Vの第三軌条集電方式だが、ブエノスアイレスは直流1,500Vの架線集電方式)、制御方式の抵抗制御からIGBT-VVVF制御への更新(新設されたVVVF制御装置は東洋電機製)、MT比の変更(6M0T→4M2T)、3・4両目への簡易運転台の設置及び貫通路への開き戸の設置(非常時を除いて、3・4号車の間は行き来が出来なくなった)等である。改造の様子が大阪車輌工業の公式サイトに掲載されており、塗装変更も同社にて行ったようだ。現地では名古屋市交通局からの各中古車両をまとめて「Nagoya」(スペイン語で「ナゴシャ」)と呼んでいる。

関連ページ:「ブエノスアイレス地下鉄 C線」

元 名古屋市営地下鉄東山線の250形。250形は100形・200形に組み込む中間車として製造された700形からの先頭車化改造車。中間車は700形で構成される。

Diagonal Norteにて
ホームが曲線上にあるMoreno駅に入線する250形。
2016年よりCBTC対応工事が施された。Retiro寄り3両目の中間車の車端部(4両目寄り)の片側の窓の閉塞及び座席撤去の上、CBTC車上装置が車内に設置された。
250形・700形の車内の様子。網棚なし、壁際に設置されている蛍光灯、淡いベージュ色の内装等、名古屋市営地下鉄時代の面影が色濃く残っている。座席のモケットも変わりない。各車両2箇所ずつ、枕木方向にLED式車内案内表示器が設置されているが、現在は使用停止しており、広告と路線図が掲げられている(LED本体は撤去済み)。
特徴的な幅広の貫通路もそのまま。
3・4号車間の連結面。簡易運転台が設置され、貫通路は通常閉鎖のため開き戸を設置。
名古屋市営地下鉄(及び名鉄)の車両の特徴である、ドア脇の鏡も残存している。
ファンデリア。中央には名古屋市営地下鉄のシンボルマーク(通称:丸八マーク)が残る。
多角形のランプが特徴の非常通報装置も、案内表記をスペイン語に変更したうえで使用している。
一部の日本語表記も残っている。
車内の路線図。沿線の道路の名称が路線図上部に書かれているのがブエノスアイレス地下鉄の路線図の特徴。
新設された車椅子スペース。車椅子固定ベルトも設置。
車端部には車両番号表記も残る。名古屋市交通局のかつての車両番号表記の標準書体であるローマン体が特徴(ローマン体は桜通線6000形6101Hまで使用、但し東山線5000形は異なる)。
乗務員仕切り。
Lavalle駅に入線〜発車する、Retiro行きの 名古屋市交通局250形I編成。発車時には車外スピーカーよりブザーが鳴る。

Full HD Video
3駅間の車内の様子。名古屋市営地下鉄時代と同様に、自動放送機能がある(スペイン語)。制御装置はブエノスアイレス譲渡時に大阪車輌工業にて東洋電機製IGBT-VVVFに換装された。

Full HD Video

■編成別写真
H編成。
名古屋市交通局時代は「267H」。
267-748-749-744-763-268

Diagonal Norteにて
I編成。
名古屋市交通局時代は「263H」。
263-756-757-741-742-264

San Juanにて

関連ページ:「ブエノスアイレス地下鉄 C線」

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