ミトレ線 車両紹介

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Mitre(ミトレ)線で現在運行している車両は、中国南車(現:中国中車)製の車両(現地での呼称は「CSR」)である。ブエノスアイレスの近郊電車(Sarmiento線・Mitre線・Roca線)向けに設計された標準車両で、路線ごとに細かな仕様差異はあるものの基本設計を極力共通化することにより低コスト化・短納期での納車を実現している。ミトレ線向けの車両はTC1-M1-M2-M3-M4-TC2から成る4M2Tの6両固定編成で、2014年に6両編成30本(180両)が製造された。全車両が南車青島四方機車車両で製造され、海路でアルゼンチンまで輸送された。

車体はアルミ合金製で、水色と白に塗装されている。各車両の乗降口は片側あたり3箇所。車内はオールクロスシートで、扉間の座席配置は集団離反式。安全対策として各車両に防犯カメラが設置されている。車両寸法は長さ22,670mm(中間車は21,800mm)×幅3,100mm×高さ3,790mm。最高速度は100km/h(設計最高速度は120km/h)。主要機器には日本・ドイツ・スウェーデン等で製造された部品も使用されている。

2014年11月25日より営業運転を開始し、2015年2月9日にミトレ線の全列車が当車両に統一された。サルミエント線分と併せての車両の供給契約締結が2013年1月で、約2年で設計・405両分の製造(サルミエント線分含む)・納車が完了したのは驚異的な早さである。

Mitre線の中国南車製車両(CSR)。6両固定編成である。M01編成〜M30編成の30本が在籍する。
VVVFインバーター制御装置は三菱電機製のものが使用されている。このため、当形式は「CSR Mitsubishi」と呼ばれることもある。
動力台車。ボルスタレス台車で、集電靴付き。集電靴を固定する梁が前後車軸間に設置されている。台車も中国南車製で、台車形式名は「SDA-120」。
付随台車。動力台車と見た目はほぼ同じである。
冷房装置は広州中車軌道交通装備(ZRJC)製。
先頭車の屋根には「Trenes Argentinos」のロゴマークが入る。
各車両の側面には、車両番号に加えて、その車両の電車細別略号(「TC1」「M1」等)が表記されている。ミトレ線向けの編成はTC1-M1-M2-M3-M4-TC2で構成されている。
なお、スペイン語圏では付随車をTではなくR、制御車をTCでなくRCで示すのが一般的(R=付随車(スペイン語でRemolque))だが、当形式ではその略号表記に則っていない。
車内の様子。オールクロスシートで、扉間の座席配置は集団離反式である。
車端部。貫通路上にLED式案内表示器を備える。
車端部に掲示されている、列車利用時の注意書き。
各車両の天井には防犯カメラが、1両あたり2箇所設置されている。
ドア周り。一部の車両には、写真のように乗降口脇に車椅子スペースが設けられている。
ドア上のマップ式案内装置。既に走行した駅(停車中の駅を含む)を赤色の点灯、これから走行する駅を緑色の点灯、次駅を橙色の点滅で表示する。
非常時に使用するドアについては、ドアに「SALIDA DE EMERGENCIA」(非常口)のステッカーが貼付されている。
左右のドア窓に貼られているステッカー。
くつずり(沓摺り)部には「CSR 中国南車」の文字が刻まれている(車内に製造所銘板はない)。
優先席のステッカー。
両先頭車には自転車スペースが設けられている。
自転車駐車時の様子。自転車の片輪を天井からの手すりに引っ掛ける。
乗務員室仕切り。仕切り扉に窓があり、前面展望が可能。
運転台。グラスコックピットであり、LCDが2台設置されている。
運転台のモニター。集電電圧、速度、車両の機器動作状況等が表示されている。
もう一方のモニターでは、各車両の防犯カメラからの映像が表示されている。
新型車両導入をアピールする広告。「Nuevo」=Newの意味。
Juan B. Justo駅に入線する、BME. Mitre発Retiro行きの列車。

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警笛を鳴らして発車する、CSR(中国南車)製のMitre線電車。

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Victoria駅を発車する、Tigre行きの列車。

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都心側のターミナルであるRetiro駅は、アーチ状の屋根が特徴。発車後暫くは、側線に留置されている様々な車両を見ることができる。3 de Febrero駅の手前まで、San Martin線の線路が並行している。

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ドアチャイムは中国国内の地下鉄でも同様の音色を聴くことが出来る。ドア上にはマップ式案内装置、貫通路上にはLED式案内表示器を備える。

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J. L. Suárez始発Retiro行きの車内の様子。IGBT-VVVF制御で、制御装置は三菱電機製。

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